病院備品をネットで売却 小田原市立病院職員を懲戒免職

 神奈川県小田原市は27日、約1年間にわたり市立病院の備品を横領したとして、市病院管理局経営管理課主任の女性職員(34)を懲戒免職処分にしたと発表した。処分は同日付。市は全額弁済を求めるとともに、刑事告訴も検討する。

 市によると、用度施設係だった職員は昨年3月ごろから、同病院が購入した家庭用品や家電製品など226点(購入額計94万6700円)を横領。そのうち135点(同74万3701円)をインターネットオークションを通じ計32万4803円で売却した。勤務中に落札者への商品封入なども行っていたという。

 職員は各部署からの購入依頼を受けて購入・納品する業務を1人で行っていた。横領した備品には医薬品などはなく、新品のため個人情報の漏えいなどもないという。

 昨年12月に言動がおかしいことから同病院が監視を始め、今年2月に職員が白衣31着(計約6万7千円)が入った段ボールを自家用車に積み込むところを押さえた。同病院などの聴取に職員は横領を認めており、同病院は架空発注による横領もあったとみている。

 市は管理責任を問い、同局長ら6人を文書訓告、口頭注意処分とした。同病院は「受発注や納品の確認などを1人に任せず、複数で行う体制をつくりたい」と話している。

小田原市立病院

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