屋外にAED設置へ 厚木の市立小中36校

 屋外で活動している児童生徒らの事故などに備え、厚木市は2019年度、市立小中学校全36校で、自動体外式除細動器(AED)の屋外設置に取り組む。屋内には既に全校で設置済みだが、いち早く使える環境を整えることが目的。災害時に学校施設が指定避難所の役割を果たすことも踏まえた。

 市教育委員会によると、AEDは職員室を中心に屋内に置かれているが、屋外に設置している市立学校はなかった。職員室から離れている校庭やプールなどでの活動中や、職員室が施錠される休日・夜間の一般開放中などに、AEDの持ち出しに時間を要したり、持ち出しが困難だったりすることに対応するため、屋外設置を決めた。

 市では専用ボックスを設け、その中にAEDを収める考え。盗難やいたずらのリスクもあり、市教委は「施錠するかどうかは検討中」とした。

 施錠した場合は鍵の所有者がいないと使えない恐れも指摘されている。全校での屋外設置が既に完了している近隣の相模原や海老名、大和各市はいずれも無施錠。3市の教育委員会や消防本部などは「いつでも利用できる環境を優先している」としている。

 厚木市は、同年度の一般会計当初予算案に関連事業費として計約990万円を計上した。市教委は市議会での審議などを経た上で「年内に設置を完了させたい」としている。

厚木市役所

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