日米通算は松坂&岩隈の170勝、次の200勝投手誕生は…今季達成が予想される記録【勝利数】

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

200勝はNPB単独では2008年の山本昌、日米通算では2016年の黒田博樹が最後

「名球会」の資格はNPB、日米通算で「200勝」「2000安打」「250セーブ」だ。2000安打は毎年のように達成者が出ているが、200勝はNPB単独では2008年の中日・山本昌、日米通算でも2016年の広島・黒田博樹を最後に出ていない。

◯NPB 通算勝利数10傑 ()は実働期間

1 金田正一 400勝(1950-1969)
2 米田哲也 350勝(1956-1977)
3 小山正明 320勝(1953-1973)
4 鈴木啓示 317勝(1966-1985)
5 別所毅彦 310勝(1942-1961)
6 V.スタルヒン 303勝(1936-1955)
7 山田久志 284勝(1969-1988)
8 稲尾和久 276勝(1956-1969)
9 梶本隆夫 254勝(1954-1973)
10 東尾修 251勝(1969-1988)

 金田正一の記録が燦然と輝いている。金田は1951年から64年まで14シーズン連続20勝という空前の記録を樹立。まさにアンタッチャブル。1969年に400勝を達成して引退。300勝投手は1984年の鈴木啓示を最後に出ていない。

 日米通算では203勝(NPB124勝、MLB79勝)の黒田博樹が最多。続いて野茂英雄が201勝(NPB78勝MLB123勝)している。

◯NPB現役投手 勝利数10傑
1 石川雅規(ヤ) 163勝(2002-2018)
2 内海哲也(西) 133勝(2004-2018)
3 涌井秀章(ロ) 130勝(2005-2018)
4 和田毅(ソ) 126勝(2003-2017)
5 岸孝之(楽) 122勝(2007-2018)
6 金子千尋(日) 120勝(2006-2018)
7 松坂大輔(中) 114勝(1999-2018)
8 上原浩治(巨) 112勝(1999-2018)
9 岩隈久志(巨) 107勝(2001-2011)
10 能見篤史(神) 102勝(2005-2018)

 最多勝はヤクルトの左腕・石川。今年1月に39歳となった。昨年も7勝している。あと31勝で史上25人目の200勝だが、達成できるだろうか。

 NPBでは、勝利数は100勝から50勝刻みで表彰している。150勝は過去48人が達成している。今季から西武の内海はあと17勝、ロッテの涌井は20勝で150勝だ。内海は巨人時代の2011年に18勝で最多勝を獲得している。当時の勢いが戻れば、今季中の達成は可能だ。

巨人大竹は100勝へ3、阪神メッセンジャーも大台到達へ

◯現役投手の日米通算勝利数5傑
1 岩隈久志(巨) 170勝(NPB107勝 MLB63勝)
1 松坂大輔(中) 170勝(NPB114勝 MLB56勝)
3 田中将大(ヤンキース) 163勝(NPB99勝 MLB64勝)
4 ダルビッシュ有(カブス) 150勝(NPB93勝 MLB57勝)
5 上原浩治(巨) 134勝(NPB112勝 MLB22勝)
5 前田健太(ドジャース) 134勝(NPB97勝 MLB37勝)

 日米通算でも今季200勝に達する選手はいない模様だが、2~3年先には大台に達する投手が出てくる可能性は大いにある。

 NPB単独での100勝投手は現役で11人。上記の10傑に加えてソフトバンクの中田賢一が100勝で続いている。今季、過去136人が達成しているNPB通算100勝を達成する可能性のある投手は、5人いる。

大竹寛(巨) 97勝(2003-2018)あと3勝
成瀬善久(オ) 96勝(2006-2017)あと4勝
メッセンジャー(神) 95勝(2010-2018)あと5勝
吉見一起(中) 88勝(2006-2018)あと12勝
館山昌平(ヤ) 85勝(2003-2018)あと15勝

 いずれも実績のある投手であり、今季中に達成する投手は出てくるだろう。メッセンジャーはアメリカ出身としては、スタンカ、バッキ―(いずれも100勝)を抜く記録が十分に期待できる。

 この5人に続いて巨人の菅野智之は現在76勝。100勝は再来年になりそうだが、8完封し、2年連続沢村賞を受賞した昨年の勢いを見ると、2013年の楽天、田中将大(24勝0敗)同様の活躍をして、一気に100勝に迫る可能性もあるだろう。

 200勝など往年の大記録は望み薄だが、それでも今シーズンも興味深い記録達成が期待できるのだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2