交番を統合・再編し400カ所へ 神奈川県警、機能は強化

 県警は28日の県議会防災警察常任委員会で、およそ10年後をめどに県内の交番を現在の472カ所から400カ所程度に統合再編する方針を示した。各地域の治安情勢や人口動向、交番施設の老朽、狭隘(きょうあい)化などの事情を総合的に検討し、地域住民の理解を得ながら慎重に対象を選定していく。交番の数自体は減るものの、設備と人員の両面で各交番の機能を強化し、事件・事故への対処能力の向上を図る考えだ。

 県警は同委員会で、交番等整備基本計画案を説明。計画期間は2020年の東京五輪・パラリンピック終了後から29年度までとし、横山俊二地域総務課長は「交番などを適正に配置し、機能強化や持続可能な運営を進め、地域住民の安全・安心や利便性の向上を図っていく」と説明した。

 計画策定の背景には、限られた予算と人員で交番の機能を最大限発揮していくとの問題意識がある。スマートフォンなどの普及による通報手段の変化や、交番施設の計画的な建て替えの必要性なども踏まえた。

 統合再編後の交番は、施設の大型化を進める。事案への即応力を強化するため、拠点交番には自動車警ら隊のパトカーの配置なども視野に入れる。人員面についても、横山課長は「交番勤務員の数を減らすことなく配置し、統合に伴い勤務員の複数勤務体制を確立する」とした。

 交番の建て替えなどは年間10カ所程度ずつを目標に推進していく方針。交番が統合されたエリアでは、自動車警ら隊などとの連携強化を含め、重点的なパトロールを行い、「統合前と変わらぬ治安の維持に努める」としている。

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