介護保険料に疑問の声

室蘭・専門家ら「過大徴収?」

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18年度決算 2億円超減額必要

 室蘭市が2018年度(平成30年度)に改定した65歳以上の高齢者が負担する「介護保険料」に疑問の声が上がっている。18年度決算で保険給付費が約2億4千万円の減額が必要になったほか、19年度予算案で約3100万円の基金(貯金)積み立てを計上しているためだ。専門家らは「保険料を過大に徴収している可能性がある」と指摘している。

 介護保険制度は基本的に65歳以上の要介護認定を受けた人が費用を負担して利用する。高齢者が負担する介護保険料は自治体ごとに決められ、3年に1度見直す。原則、年金から天引きされる仕組みだ。

 市の介護保険料は第7期高齢者保健福祉計画・介護保健事業計画(期間2018~20年度)に合わせ、利用者1人当たりの3年間の介護事業に要する経費を算出し、65歳以上の高齢者数に基づき算定している。

 第7期計画では18年度被保険者数を約3万1185人試算。所得に応じて高齢者の介護サービス料の自己負担率を3割に引き上げた。具体的には保険料を月額4500円(基準額)として6期より250円アップ。所得によって1~12段階に負担を細分化した。

 福祉関係者によると、自治体の介護保険料は一般的に「サービスが充実していると高くなる」。一方、地域に働き掛けて介護予防の取り組みをすることで「安くできる可能性もある」という。

 19年度予算は総額74億円で前年度比2・6%減。内訳は介護給付費が58億3600万円、介護予防給付費3億円など。その中で貯金となる基金は18年度の15万円程度が19年度約3100万円を積み増す計画。

 18年度決算状況は「現在精査中」(担当者)だが、介護給付費が利用者の減少などで約2億円、介護予防給付費もサービス利用が少なく約4千万円それぞれ減額が必要になった。

 この状況に一部市議から疑問の声が上がる。田村農夫成議員は過重徴収により「計画初年度(18年度)から減額補正が必要になった」と問題視。「市民から保険料が高いという声もある」と語った。水江一弘議員は「減額分の額が大きい。なぜなのか」と強調した。

 こうした指摘に市高齢福祉課の今野睦也主幹は「19年度の運用状況を見て対応を考えたい」と話した。

 北海学園大学の横山純一教授(地方財政論)は「保険料が余ったことを検証し、市民ニーズを考える必要がある」と市民の声や議会議論を経た上で介護保険料を調査する必要があるとしている。 (林帆南、粟田純樹)