新年のごあいさつ 土佐町教育長 澤田 智則

高知県土佐町

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新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
日頃から本町の教育行政に対しまして、絶大なるご支援を賜っておりますことに心より感謝し、厚く御礼を申し上げます。

1月3日に開催されました成人式には、新成人29名の皆さま、そして多くの保護者や地域の皆さまなどのご参加をいただき、厳粛かつ盛大に式典が執り行われました。生まれ育った土佐町のみならず、人口減少時代を迎えた日本そして世界で、その意欲と行動力で大きく羽ばたいていただくことを期待しております。

年頭に際しまして、土佐町教育委員会の教育行政方針の概要と今後の取組について申し述べさせていただきます。
今、公教育はいろいろな社会的環境・条件の変化にともない、多岐にわたる教育制度改革が行われています。その背景としては、国の財政の危機的状況にともなう行財政改革の必要性、グローバル化が進む中で、閉塞感に満ち溢れた日本社会の経済状況を打破し、世界に果敢に挑戦できる人材の育成・強化が求められていることがあります。
また、日々、報道されることの多い青少年犯罪、校内暴力、体罰、不登校、さらに犯罪にまで至る恐れのあるいじめなどに対応することが喫緊の課題といえます。

さらに、人口減少社会となった日本で、特に急速に高齢化・過疎化の進む土佐町のような中山間地域における公教育の確保、そして地域の未来を担う人づくりが、持続可能な地域づくりにとっては重要なものとなっています。このような公教育に対する社会からの様々な要請や課題に対し、土佐町教育委員会では国の教育政策の動向を見守りつつ、本町独自の教育行政についての政策を企画・立案を行っています。そして、それらの政策を教育行政並びに学校現場で具体的に実現し、個々の子どもたちの個性を尊重した人格形成、主体性を持った人への育成を目指します。

新しい学習指導要領等は小学校が平成32年度、中学校が平成33年度から全面実施されます。この学習指導要領改訂には「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の3つの方向性があり、「カリキュラム・マネジメント」「アクティブ・ラーニング」などの新たな観点などが求められ、全面実施までの間に環境・体制を整える必要があります。そして、生涯学習の観点からは、土佐町で暮らし続け、ほんとうの意味での幸福を実現するために、世代を超えて学び続けられる環境づくりも必要となります。

以上のことを踏まえ、具体的実現に向けて土佐町では、すべての教育において人権を基盤としつつ「第三次土佐町教育振興基本計画(土佐町教育大綱)」に基づき、その基本理念「郷土を愛し生涯にわたって学び続ける教育の創造」を基盤として、基本方針である「ふるさとをはぐくむ生き方をとおして、社会に貢献できるひとづくりを推進」しています。

具体的には平成29年度はこれまで、次の施策の8つの基本方向にそって教育行政を運営してきました。
(1)「保小中高連携教育」の充実
(2)「就学前の子どもたち」の教育の充実・保育環境の整備
(3)組織的・協働的に目標の実現や課題の解決に取り組める「チーム学校」の構築
(4)「学校教育」の充実・学校教育環境の整備
(5)学びと育ちを支える「子育て支援」の充実
(6)「安心・安全」で質の高い教育環境の充実
(7)「生涯にわたって学び続ける」まちづくり
(8)「文化財」の保存と活用

本年以降はさらに本町の教育目標を実現していくために、新たに次の施策に取り組んでいくこととします。
本年度から実施している「教育懇談会」の内容の更なる充実を図り、保護者、子どもたち、地域の方など立場や世代を超えた皆様と、学校や教育委員会などが本町の教育について対話できる場づくりを行います。
学校教育では、新学習指導要領での「どのように学ぶか」という問いに対する答え、「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善に取組みます。

具体的には、
(1)地域課題解決をテーマとした総合学習
(2)ICTを利活用し、本町の学習の基礎である学校図書館を核とした読書・言語活動と、特色のある小中一貫の外国語活動
(3)道徳教育の推進、などに取組みたいと考えています。

また、学校給食を4月から無償とし保護者の皆様の負担軽減を図ります。
外部人材の活用については、本町の学校教育における特色であり大きな強みとなっている「学校支援地域本部事業」や「学校応援団」の取組をさらに充実させ、保育園での活動なども実施したいと考えています。
そして、この学校教育との円滑な接続が必要な保育・幼児教育についても力を入れて取り組んでいくこととします。現在実施している子育て支援の充実と、さらに円滑な保小連携を進めます。
また、国の幼児教育無償化に先駆け、本町では全ての保育料を無料とします。
現在「みつば保育園みらい会議」で保育園建設に向けた検討を行っていますが、来年度はその内容をもとに実施設計に着手したいと考えています。

社会教育では、社会教育委員会をより充実させ、あらゆる世代や立場の皆様が町内全域で楽しく学ぶ事のできる機会や場の提供を行うことを目指します。
また、本町では平成23年に読書のまち宣言を行っています。これまで以上にこの施策を推し進めるために、さらに学びの場として充実を図る町立図書館を中心として学校図書館と連携しながら、全ての町民の皆さまが読書を楽しみ、学び続けることのできる環境を実現します。
加えて、町長部局での嶺北高校の魅力化の取組みにあわせ、嶺北高校卒業生の奨学金返還免除を実施することとします。

土佐町教育委員会では、以上のような取組について、保育園・学校・保護者・地域の皆様や教育NPOなどの関係団体としっかりと連携して進めていきたいと考えておりますので、町民の皆様の格段のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
新しい年が皆様に、そして土佐町にとりまして幸せが多い一年になりますことを、心よりお祈り申し上げて、土佐町教育委員会からの新年のご挨拶とさせていただきます。