大分市中央通り ムクドリの群れ、姿消す【大分県】

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昨年11月以降、ムクドリの群れが姿を消している中央通りの街路樹=2月
中央通りのビル屋上に集まるムクドリ=2017年2月、いずれも大分市

 大分市の中央通りの街路樹からムクドリの群れが姿を消している。20年近く鳴き声やふんの被害が後を絶たなかったが、昨年11月以降は確認されていない。例年、葉が落ちる冬場は飛来する数が減るが「これだけ長い間来ないのは初めて」と市の担当者。天敵のタカを放ったり、職員が小まめに木を揺するなどした効果が出ているのではないかとみている。

 群れは夕方現れ、街路樹をねぐらとする。通行人や近くの商店街関係者らは「ギャアギャア」という鳴き声や大量のふんに悩まされてきた。

 市は木に寄り付かないよう剪定(せんてい)したり、方向感覚を狂わせる磁石や嫌うにおいを付けたりしたが、“特効薬”にはならなかった。

 タカを使って追い払う作戦に乗り出したのは2016年8月。佐賀県から鷹匠(たかじょう)を招き、17年7月まで3回実施したところ、戻ってくる間隔が長くなった。

 葉が茂り始めた昨年5月には、大群が飛来したのを機に、市道路維持課の職員がローテーションを組んで毎日追い払いに出るように。1週間ほど木を揺すったり、光を当て続けると姿を見せなくなった。何度か群れが戻ってきても集中的に追い払うと数日で逃げていったという。

 最後に追い払ったのは昨年11月上旬。3日ほど続けると姿を消した。「居心地が悪くなり、安全ではない場所だと認識したのではないか」と担当者。

 通り沿いにある金融機関の職員は「ひどいときは店内まで鳴き声が聞こえていた。最近は全く聞かず、ふんもほとんど落ちていない」と喜ぶ。

 ムクドリはどこに行ったのか。日本野鳥の会県支部の江口初男研究部長(68)=大分市宮河内ハイランド=は昨年10、11月ごろ、市中心部の大分城址公園や春日神社のクスノキに300~500羽単位でいるのを目撃した。「中央通りに千羽単位でいた群れが、餌のある所に分散した可能性がある」とみる。

 ムクドリは2月ごろから繁殖期に入るため、つがいで行動し始める。再び群れをつくるのは子育てが終わった6、7月ごろ。「中央通りから本当に群れが去ったかどうかは、一年を通して観察した方がいい」と江口さん。 

 市は「また戻ってきたらすぐ動く」。今後も根気強い“闘い”を覚悟している。