世界最高級DFは少年時代から”怪物”だった 「チャンス作れる者いなかった」

リヴァプールのファン・ダイク photo/Getty Images

以前から評価は高かったものの、今季の1シーズンでリヴァプールDFフィルジル・ファン・ダイクは一気に世界最高クラスのセンターバックと言われるようになった。26歳のファン・ダイクにとってリヴァプールはキャリア初のビッグクラブで、そこで優勝争いやチャンピオンズリーグなどハイレベルな戦いに参加することで改めて自身の能力の高さを証明することになった。

ファン・ダイクは空中戦にも強く、スピード勝負にも対応できる。さらにボールの扱いも上手く、目立った弱点がないセンターバックと絶賛されている。その怪物ぶりは少年時代から変わらなかったようだ。英『FourFourTwo』が世界最高クラスのセンターバックになるまでの道のりを振り返っているが、ファン・ダイクは少年時代より非常に高い評価を受けていた。

ファン・ダイクは母国オランダのヴィレムIIのユースからキャリアをスタートさせるが、ヴィレムでGKコーチなども務めたフランク・ブリューゲルは「当時からファン・ダイクはチームメイトの子供たちと比較しても優れた身体能力を持っていた。素晴らしいタッチ、スキル、そしてスピードもあった。彼は最終ラインの壁だったし、試合を決定づけることもできた。見ていて楽しかったよ」と振り返っている。

アカデミーのマネージャーを務めていたヤン・ファン・ルーンも、「彼相手にチャンスを作れるストライカーはいなかった。フィジカルも強く、相手からボールを奪い取る才能があったんだ。ポジショニングも印象的だったし、守り方を本能で理解していた」と語っている。少年時代からパーフェクトに近いDFだったのだろう。

その後ファン・ダイクの能力に目をつけたフローニンヘンが素早い動きを見せ、ヴィレムから引き抜いてしまった。そこから国外クラブとなるスコットランドのセルティック行きを決断し、徐々にプロとして存在感を強めていった。セルティックでチームメイトだったクリス・コモンズも印象的だったと振り返る。

「彼がどれだけ良い選手かすぐに理解できた。ボールの扱いも上手いし、フィジカルも強い、フリーキックも蹴れるし、ロングボールのスペシャリストだ。それにゲームを読む力も非常に印象的だった」

そしてサウサンプトンを経てリヴァプールへ加入し、世界的に評価が高まることになった。当時からファン・ダイクを見てきた者にとっては今のブレイクも驚くことではないのかもしれない。

コモンズは、「レアル・マドリードやバルセロナが次の行き先になると思う。私は彼をセルヒオ・ラモスと同列で評価している。リヴァプールも大きなクラブだが、選手を獲得する点においてバルセロナとレアルは上を行く。ルイス・スアレスにもそれは起きたのだから」とさらなるステップアップまで予感している。

世界トップレベルのセンターバックであることは今季のパフォーマンスで証明されたが、ファン・ダイクはどこまで伸びるのか。誰もが認める世界No.1センターバックになる日もそう遠くないかもしれない。

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