昭和と平成では大きく異なる数字…今季達成が予想される記録【投球回編】

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ヤクルト・石川雅規【写真:荒川祐史】

昭和と大きく数字が変わった「投球回数」、歴代10傑は昭和の大投手が並ぶ

「投球回数」は、昭和の時代と分業・ローテーションが進んだ平成では、大きく数字が変わってしまった記録だ。

○NPB 投球回数10傑 ()は実働期間
1 金田正一 5526回2/3(1950-1969)
2 米田哲也 5130回(1956-1977)
3 小山正明 4899回(1953-1973)
4 鈴木啓示 4600回1/3(1966-1985)
5 別所毅彦 4350回2/3(1942-1960)
6 梶本隆夫 4208回(1954-1973)
7 スタルヒン 4175回1/3(1936-1955)
8 東尾修 4086回(1969-1988)
9 山田久志 3865回(1969-1988)
10 稲尾和久 3599回(1956-1969)

 400勝投手の金田正一を筆頭に、200勝以上を挙げた昭和の大投手が並んでいる。彼らは先発すれば完投が当たり前だったうえに、救援投手としても投げて投球回数を積み上げた。

 しかし、平成に入ると数字は小さくなる。

○現役投手 投球回数10傑
1 石川雅規(ヤ) 2670回1/3(2002-2018)
2 涌井秀章(ロ) 2211回2/3(2005-2018)
3 内海哲也(西) 1969回(2004-2018)
4 岸孝之(楽) 1856回1/3(2007-2018)
5 金子弌大(日) 1825回2/3(2006-2018)
6 和田毅(ソ) 1654回2/3(2003-2017)
7 能見篤史(神) 1648回1/3(2005-2018)
8 大竹寛(巨) 1622回2/3(2003-2018)
9 上原浩治(巨) 1583回2/3(1999-2018)
10 成瀬善久(オ) 1548回(2006-2017)

 3000回以上投げた投手は27人いるが、平成以降のデビューでは三浦大輔(3276回)だけ。NPBの通算防御率は2000回以上を対象にしているが、現役投手でこれをクリアしているのは、ヤクルトの石川、ロッテの涌井のみだ。

内海&岸&金子に2000投球回到達の可能性

 NPBでは1000イニングから500回刻みで表彰している。上記現役10傑と重複する部分があるが、今季の達成予報をしよう。

○2000投球回(過去89人)
内海哲也(西) 1969回 あと31回
岸孝之(楽) 1856回1/3 あと143回2/3
金子弌大(日) 1825回2/3 あと174回1/3

 今季から移籍した投手が2人いる。3人ともに実績ある投手であり、ローテーションを維持すれば達成は不可能ではないだろう。

○1500投球回(過去178人)
松坂大輔(中) 1459回 あと41回
館山昌平(ヤ) 1388回2/3 あと111回1/3

 松坂世代の2人である。松坂は、春季キャンプ中のアクシデントが気がかりだが、普通に投げることができれば今季前半に達成可能な数字だ。松坂はMLBで790回1/3を投げているから日米通算では2249回1/3になる。

○1000投球回(過去352人)
野上亮磨(巨) 974回1/3 あと25回2/3
野村祐輔(広) 941回1/3 あと58回2/3
山口俊(巨) 910回1/3 あと89回2/3
大野雄大(中) 872回 あと128回
藤川球児(神) 866回 あと134回
小川泰弘(ヤ) 844回1/3 あと155回2/3
美馬学(楽) 843回2/3 あと156回1/3
五十嵐亮太(ヤ) 823回2/3 あと176回1/3
ディクソン(オ) 821回 あと179回
村中恭兵(ヤ) 805回1/3 あと194回2/3
藤浪晋太郎(神) 798回2/3 あと201回2/3

 先発投手にとって1000投球回は打者の1000安打と同様、一線級の証として達成したい数字ではある。

 しかし救援投手には非常に高いハードルだ。昨年、中日の岩瀬仁紀は、NPB史上初めて投手として1000試合出場を記録したが、専業の救援投手としては初めての1000投球回も目前に迫っていた。しかし、985回で引退。阪神の藤川も1000投球回まであと134回となっているが、救援投手はシーズン50~60回しか投げないから、非常に高いハードルだ。今季からヤクルト復帰の五十嵐も同様だ。

 阪神の藤浪は1000投球回まであと201回2/3。普通で考えれば厳しいが、2015年には199回を投げたこともある。完全復活すれば、十分に可能な数字だ。本人だけでなくファンや球団も切望しているだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)