堀ちえみのキュートさ＆一生懸命さがにじみ出る！ 大映ドラマの代表作「スチュワーデス物語」

堀ちえみのキュートさ＆一生懸命さがにじみ出る！ 大映ドラマの代表作「スチュワーデス物語」

「懐かしテレビほの字組～町あかりの昭和テレビ再発見！～」第十三回

1991（平成3）年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが、皆さまから「昭和のテレビ番組」のオススメ情報をいただき、実際に観てみよう！という連載企画「懐かしテレビほの字組」。

今回選んだ番組は、TBS系のドラマ番組「スチュワーデス物語」です。先日、堀ちえみさんが舌がんの手術を受けられたことで、情報番組でもよくこのドラマの一部が流れているのを目にした方も多いかと思います。もちろん私もその1人で、「どんなストーリーなんだろうなあ？」と気になり調べ始めたのがきっかけで、今作品を選びました。さっそく、1983年10月18日放送の第1回「先生好きですッ！」を観てみることにしました。

今作品は、堀さん演じる松本千秋が、亡き父（元パイロット）の思いを胸にスチュワーデスを目指す物語。まず、「スチュワーデス」という名称自体にちょっと違和感があるというか、死語っぽいですよね、コレ…？ 調べてみたところ、性別を問わない呼称に変えるため、日本航空では98年に「スチュワーデス」という言葉は廃止されたんだとか。現在、飛行機の客室乗務員は「CA」とか「キャビンアテンダント」と呼ばれていますよね。「保育士」や「看護師」と同じだぁ。時代の変化が感じられますね。

まず、主人公の千秋が訓練生の採用試験会場で出会った女性たち（のちの同期仲間）がみんな個性的で目が離せません。「ちょっと、あんたアガってるね！ でもアガるのはかわゆい方。ギンギンにツッパらかってるコもいるヨ」…などという美しい“80’s不良言葉”も聞けちゃいます。ギンギンにツッパらかる…。訓練生採用試験の面接の様子も「ヤバイ」としか言いようがないです。

志望動機を問われた際に「パパが整備士でぇ♪ ママがスチュワーデスだったのでぇ♪ キャハッ☆」と言う者がいたり（しかもそれで合格しちゃう）、肝心の千秋も「母の再婚相手が好きになれなくて、早く家を出ていきたいから」と述べ、後に合格します（なんでー!?）。もちろん誰でも受かるわけではなく、合格者は5500人中たった80人。およそ70人に1人の倍率で、逆に不合格者がどれほどのレベルなのか気になる…。もし自分が小学生の時にこのドラマを観ていたら「え？ こんなんでスチュワーデスの訓練生ってなれるの？」とちょっと勘違いしそうです。

それもそのはず、製作はみんな大好き！ 大映テレビ。ヤッター！ 大映ドラマ作品は第3回のコラムで取り上げた「スクール☆ウォーズ」でも体験済みです。まるでファンタジーを観ているかのようなドラマチックな展開で、セリフ回しが大げさでいいですよねぇ。今作品もテレビドラマとは思えないほど身振りが大きくて、ひざまずいたり、つかみかかったり、倒れたり、叫んだり、抱き合ったり…。舞台演劇に近いような気もします。とにかく素直で正直で、好きなら好きと言う！ 嫌なら嫌と言う！ ストレートで超体当たりな出演者たちの演技にグッときます。本気だからこそ面白い!!

「空港でのお仕事」「キャビンアテンダントのお仕事」の内容を知ることができる点も興味深いです。空港内にあるさまざまな工場の様子や、訓練生の実習内容、実際に行われているのか分からないけど運動着でジョギングをするシーンも出てきます。面接試験のシーンで「眼鏡は禁止ですよ！」と言われている子がいて、それも初耳！ 長時間コンタクトレンズはつらいだろうなあ…。面接にも体力テストがあるようですし、普通の企業就職ではないことがよく分かります。体力とか視力とか、アスリートに近いものが求められているのでは？

ところで、実は主人公は小泉今日子さんが演じるはずだった!?という情報を耳にしました。私はキョンキョンも大好きですが、この「千秋」というキャラクターは堀さんにぴったり。超ハマリ役ですよね。タレ目で癒やし系、子犬のようなお顔立ちの堀さんだからこそ、視聴者も「頑張れ…！」と感情移入できるのではないでしょうか。それは本業の歌手の時にもにじみ出ているなあと思うんです。

私はキョンキョンが「あ～あ、恥ずかしいよこの振り付け～」とか思ってそうな、余裕のある表情も超大好きなのですが（笑）、その一方で、ちえみチャンっていつも一生懸命歌っていません？ 「ザ・トップテン」（日本テレビ系）で「稲妻パラダイス」（84年）を歌唱中、勢い余って靴がポーンと飛んでいっちゃったエピソードも有名ですよね。名曲「Wa・ショイ！」(85年）の不思議な振り付けも、ちえみチャンじゃなきゃできないよな…と思います。

主人公・千秋のように明るくガッツのある印象の堀さん。キュートなお姿を再びわれわれに見せてくださる日を、みんなで楽しみにしていましょう！

さて！ こちらの連載では、読者の皆さまからオススメの「昭和のテレビ番組」を引き続き大募集しています。現在でもDVDや再放送、動画配信サイトなどで観られる番組を教えていただけますと幸いです！ よろしくネ～。