【MLB】田中将大、OP戦好発進に通算194勝OBも絶賛 「すべての数字が堅実そのもの」

タイガース戦でオープン戦初登板を果たしたヤンキース・田中将大【写真:田口有史】

タイガースとのOP戦で今季初登板した田中は3回1安打無失点の好投

 ヤンキースの田中将大投手は3日(日本時間4日)、米フロリダ州タンパで行われたタイガースとのオープン戦で初登板初先発。3回1安打無失点の好投で7-1の勝利に貢献し、今季初白星を挙げた。MLB通算194勝のヤンキースOBはメジャー5年間で安定感と大舞台での強さを示してきた日本人右腕を「タナカサーン!」と絶賛する一方で、昨年6月の両太もも裏の張りによる離脱を愛情たっぷりにいじっている。

 ついにオープン戦初登板となった田中。中継局の「YESネットワーク」ではタンパのマウンドに立った背番号「19」の話題で盛り上がった。

「タナカサーン! タンパのピッチングプレートに足をかけて、ブロンクス行きの準備をしています。昨年もまたしても本当にソリッドでしたね。少し離脱しました。彼の走塁を思い出すことはお勧めしませんよ」

 こう語ったのは解説のヤンキースOBのデビッド・コーン元投手。1994年にサイ・ヤング賞に輝き、98年に最多勝に輝くなど往年の名右腕は昨季のパフォーマンスを振り返る中、悪夢の走塁を持ち出した。

 田中は昨年6月8日(同9日)の敵地メッツ戦で75球で緊急降板。理由は6回のタッチアップの際に、両ハムストリングに違和感を感じたことだった。

 実況も「ノー、ノー、ノー」と思わず相づち。すると、コーン氏は「両足のハムストリングです。とても素晴らしいとは言えませんね」と続けた。

通算194勝のコーン氏は6年目のシーズンを迎える田中に「堅実な活躍を5年間見せてくれました」

 愛情たっぷりのイジリを披露したコーン氏だがヤンキース6年目を迎えた右腕の活躍を最大限評価している。

「しかし、すべての数字が堅実そのものです。田中に関しては、ホームランは常に警戒しなければいけません。昨年は25本塁打です。田中に関しては打球をフィールド内に留めることが大事です。スカウティングレポートすれば、この5年間はソリッドでした。今や30歳です。7年契約を結びましたが、堅実な活躍を5年間見せてくれました」

 メジャー通算64勝34敗。防御率3.59という安定感を示す田中について、コーン氏は「ソリッド」の評価を連発した。そして、大舞台での衝撃的な強さを高く評価していた。「彼はビッグゲームピッチャーです。ポストシーズン先発5試合で、防御率1.5。田中はポストシーズンのビッグゲームでステップアップできることを証明しています」とコーン氏は語った。

 ヤンキース投手陣でポストシーズンでは誰よりも頼りになる男は、かつてのサイ・ヤング賞右腕の心も釘付けにしていた。実況も「いつだって堅実です。彼には心配無用なんです。常にコンディションも抜群。今年も躍進してくれるでしょう」と同感していた。

 この日も初回先頭打者にいきなり3塁打を打たれるピンチを招いたが、そこから9者連続凡退に仕留めた。流石の安定感。辛口のNYメディアと名投手も6年目を迎える日本人右腕に絶大な信頼を寄せていた。(Full-Count編集部)

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