古代出雲と吉備の関係性探る 島根、岡山の研究者がフォーラム

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 古代の出雲と吉備の交流をテーマにした「古代出雲文化フォーラム」(島根大主催、山陽新聞社後援)が3日、岡山市北区柳町の同社さん太ホールで開かれた。島根、岡山県の研究者が王墓や製鉄、氏族など幅広い分野で結びつく両地域の関係性を探った。

 島根大の大日方克己法文学部教授、同大総合博物館の会下和宏副館長、角田徳幸島根県埋蔵文化財調査センター課長、岡山県古代吉備文化財センターの石田為成主任の4人が講演、座談会を行った。

 会下副館長と石田主任はそれぞれ弥生墳丘墓に焦点を当て、出雲に出現する四隅突出型墳丘墓や、当時の日本最大だった楯築(たてつき)墳丘墓(倉敷市)などの調査、研究成果を紹介。吉備で生まれた祭祀土器・特殊器台が出雲に広がっていく想定ルートなどを示した。

 角田課長は6世紀後半、国内最初に吉備で始まった鉄生産に言及。良質の鉄鉱石が採れたことや渡来技術者の存在を要因に挙げ、「原料が砂鉄に変わり、古代末には中心は吉備から出雲などに移った」と解説した。大日方教授は文献史から、両地域に共通する額田部(ぬかたべ)、刑部(おさかべ)氏ら各氏族の関係性などについて私見を披露した。

 公務員男性(60)=岡山市北区=は「古くから交流があったことが分かった上、日本の鉄生産が吉備で始まるなど初めて知り、興味深かった」と話した。

 同フォーラムは島根大が大学のPRや島根県への誘客を狙いに2013年から東京、大阪などで開催。今回は初の岡山開催で、約300人が聴講した。

古代出雲と吉備の交流をテーマに開かれたフォーラム