五島・浜窄小で閉校式 児童ら学びやに別れ

 児童数の減少のため本年度末で閉校する長崎県五島市三井楽町の市立浜窄小(5人、松島真二校長)で3日、閉校記念式典があり、卒業生や地域住民ら約300人が思い出深い校舎や校庭に別れを告げた。
 1876(明治9)年、貝津、波砂間両地区に前身の学校が設置され、1907(同40)年に統合し「浜窄小」となった。前身から数えて創立142年。全面芝生の校庭が自慢で、歴代の校務員らが管理してきた。在校生は閉校後、市立三井楽小に通う。
 式典で松島校長は「閉校は寂しいが、保護者や地域の人が子どもたちに寄せる愛情の強さはどこにも負けていない」と述べた。児童5人は、ステージ上で学校生活の思い出や今後の目標を発表。谷川美咲さん(3年)は「浜窄小はなくなっても心の中にあります」、草野圭吾君(5年)は「三井楽小でも大きな声であいさつをしたり手を上げたりしたい」と元気に語った。
 同校卒業生で、式典実行委員会の会長を務めた草野正さん(68)は「閉校は寂しいが、これからは多くの同級生がいる中で、他の子たちに負けないように頑張ってほしい」と後輩にエールを送った。

記念写真に収まる児童や保護者、卒業生ら=五島市立浜窄小

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