「リグレッション」- 登場人物が全員胡散臭く疑う余地だらけ、静かに壊れていく秩序にニヤニヤ

登場人物が全員胡散臭く疑う余地だらけ、静かに壊れていく秩序にニヤニヤ

悪魔崇拝者による儀式が連日ニュースで放送され社会問題となっていた時代。父親の虐待を告発した少女の事件が調べられていた。父親は容疑を認めているが証言があやふやでまともな記憶がない。そこで催眠療法(これがまたあやしい)がとりおこなわれ、時代もあいまって信憑性のない悪魔崇拝の事実が作り上げられていく。意図せずニュースから刷り込まれた意識により人々はパニック状態。あらゆるモノ・人への疑惑の渦に巻き込まれていくアメリカの実話に基づいたサスペンス。

大好き悪魔崇拝モノ……かと思いきや違った!!! けれど、登場人物が全員胡散臭く疑う余地だらけ。静かに壊れていく秩序には観ていてニヤニヤ。タガのはずれた主人公に心底ゾッとしつつ、いいぞもっとやれ! とあっというまの106分。途中でオチが読めるものの、薄ら暗い雰囲気(映像の色合いも終始どんより鬱っぽい)と集団パニックや集団ヒステリーものが好きな人はマストです。(成宮アイコ)

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