県立高志願先に変化 専門学科じわり人気

特色魅力 選択に幅

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県立高入試が5日、全日制88校1分校などで実施され、2万人余りが挑む。志願状況を見ると、普通科が最も多いが、近年、専門学科を志願する割合が徐々に増えつつある。社会の変化や受験生のニーズもあり、専門学科の多様化、特色化が進んだことが要因の一つとみられる。県教委も「時代に合った学科が増え、選択肢の幅が広がっている」とし、“専門学科熱”がじわりと高まっている。

■普通科微減
2019年度入試の全日制の志願倍率は、普通科が1.08倍。一方、専門学科は家庭が1.11倍と最も高く、次いで美術1.10倍、商業1.08倍、工業1.03倍と続く。

普通科は募集定員1万3240人に対し1万4283人が志願し、全体の志願者数(2万205人)に占める割合は70.7%となっている。一方、1999年度の志願状況を見ると、普通科を志願する割合は76.2%。多くの受験生が普通科を志願する傾向に変わりはないが、20年前と比べて5.5ポイント減った。単純に人数だけを見ると、約4400人(募集定員約2700人減)減っており、近年、普通科志向が徐々に弱まり、専門学科を目指す受験生の増加につながっている。

■増える学科数
専門学科は近年、多様化と特色化が進んだ。30年前の1989年度は約30学科だったが、2018年度は約50学科にまで増えた。年々、時代の変化を見据えた内容に見直され、選択肢の幅が広がっている。

専門学科志向が強まっている理由について、県教委は「普通科に進み、大学に入ってから職業選択を考える」という従来型の発想から、中学校段階での職業系学科教育への理解の深まりもあり、「早くから専門的知識や技能を身に付けて社会で活躍したい」という考えを持つ受験生や保護者が増えていることが要因の一つとみる。

最近は普通科の中にも、進路希望や多様な生徒のニーズに対応し、新しい考え方のコースを設置する動きが始まっている。普通科について「具体的な目標を持たずに入学する生徒が多い」などの指摘もあり、「さらなる目的意識を持って学べる教育課程の編成が求められる」(県教委)とし、19年度からは県立学校計5校に医学コースが新設されるなど、「普通科における特色化」も徐々に進んでいる。

■進路も多岐
全日制の学科は▽普通科▽専門学科▽総合学科-の三つに分けられる。

普通科は、多様な進路に対応できるよう幅広い教育を目的とする学科。2018年度現在、70校(単独校35校)で設置され、募集定員の全日制全体に占める割合は69.7%と最多。進路状況(17年3月現在)は大学などが54.6%と半数を超え、「進学に特化した学科」といえる。

専門学科は、職業学科とそれ以外の学科に分かれる。職業学科は農業、工業、商業、水産、家庭、看護、福祉の7分野で、33校に設置。県教委によると、進路状況は主には就職が目立つが、最近は「大学進学や専修学校の割合も高く進路先は多岐にわたる」という。それ以外の専門学科は、理数、美術、音楽、国際の4分野で、計7校に設置。

普通教育と専門教育の両方を学べる総合学科は、7校(単独校5校)に設置され、進学と職業の2系列を設定している。

(朝倉洋)