新横浜「ラー博」25周年 貫いた地元愛

昭和30年代をイメージした館内のスペースを案内する岩岡さん=横浜市港北区

 「飛行機に乗らずとも全国の銘店の味が味わえる」をテーマにした新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区)が6日、開館25周年を迎える。「ラー博」の愛称で親しまれ、昨年11月に総来館者が2600万人を突破するなど新横浜を代表する名所。東日本大震災後には「がんばれ東北!がんばろうラーメン!」と銘打ち、被災地の店舗を出店させるなど支援に取り組んだ。現在は全国のご当地ラーメンの歴史を伝えようと調査しており、同館館長の岩岡洋志さん(59)は「これからもラーメン文化を発信していきたい」と意気込む。

 北海道から沖縄まで国内をはじめ、ドイツやカナダなどの計7店舗が軒を連ねる。6日には「出店を25年間口説き続けた銘店」(岩岡さん)という福岡のとんこつラーメンの老舗も加わり、計8店舗となる。

 開館はバブル経済崩壊後の1994年。新横浜出身の岩岡さんが「横浜駅周辺やみなとみらい地区に負けたくない。人を呼び込み地域を活性化したい」との思いから、地元の仲間とも相談してオープンした。「当時は現在ほど高層ビルもなく、まさに新幹線に乗るためだけに来る場所だった」と岩岡さん。名称について、周囲からは「新」を削除し、より認知度の高い横浜にあやかり「横浜ラーメン博物館」にしたらと提案されたこともあったが地元愛を貫いた。

© 株式会社神奈川新聞社