長崎県対馬市峰町の市立西小(大浦信之校長、56人)で5日、同校の日米親善人形ナオミにちなんだ「ナオミ集会」があった。国際情勢の変化に伴い不幸な結末をたどった「青い目の人形」について児童らが発表し、平和な世界を築いていく決意を新たにした。
同校などによると「青い目の人形」は1927(昭和2)年、米国のシドニー・ルイス・ギューリック博士が日米友好を願い、ひな祭りの季節に1万2739体を日本各地に贈った。対馬には同校の前身、三根尋常小などに14体が届いたが太平洋戦争開戦後、「敵国の人形」などとして多くが壊されたり焼かれたりした。
ナオミは、西小児童が人形について調べたことを伝え聞いた博士の孫・ギューリック3世夫妻が2003年、「新・青い目の人形」として寄贈。夫妻から町内の光雲寺に贈られた同様の人形「カゥラ」と姉妹縁組をした06年から集会が開かれている。
今年の集会では「ナオミ」と「カゥラ」がひな壇に展示。4年生が青い目の人形の歴史について調べた成果を発表し「ギューリック博士は日米の子どもが仲良く友情を深め、戦争をせず平和に暮らせるよう贈った」と説明。6年生から下級生へと「ナオミ」を手渡し、学年代表が平和宣言をした。
6年の米田健心君(12)は「平和になってほしいという願いが込められた人形。これからも大切にしたい」と話した。
「戦争をせず 仲良く」 対馬・峰の西小
- Published
- 2019/03/06 00:00 (JST)
- Updated
- 2019/03/06 11:11 (JST)
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