居酒屋、カラオケ、パチンコ… 広がる禁煙 五輪控え対応急ぐ

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飲食店の出入り口で全席禁煙を知らせる案内=前橋市のステーキのどん公田店

 不特定多数が出入りする飲食店などで禁煙にする動きが群馬県にも広がっている。健康を気遣う嫌煙家が増えたことや、2020年東京五輪・パラリンピックに合わせて国際基準への対応を急いでいるためだ。禁煙店ではファミリー層の来店が増えるなど経営にプラスとなる結果も出ている。いずれも喫煙者に配慮する喫煙場所はあるが、禁煙を基本とする流れは強まりそうだ。

◎家族連れから「安心」評価

 喫煙者も多く訪れる居酒屋が禁煙を打ち出して注目されたのが、串カツ田中ホールディングス(東京都)。昨年6月に禁煙を実施後、土・日曜、祝日のファミリー層が増え、客数がほぼ毎月、前年同月を上回った。同社によると「妊婦も来られる」「安心して子どもを連れて来られる」といった声が寄せられているという。群馬でも12日に高崎市矢島町に高崎駅西口店が開業予定で、動向が注目される。

 宴会の2次会などで使われる機会が多いカラオケボックスは、禁煙化が難しいとの見方もある中、カラオケチェーン最大手のコシダカ(前橋市)が9月、国内で展開する「カラオケまねきねこ」の全店舗で実践する。東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止対策に先駆けて導入すると、1月に発表した。

 禁煙のニュースがインターネットに流れると、好意的な書き込みの割合が多く、同社IR広報担当は「反応が良くて安心した」と胸をなで下ろした。

 前橋市で創業し全国に「ステーキのどん」を展開するアークミール(東京都)は昨年7月に、群馬県5店を含む全店で全席禁煙を実施。同社販売戦略室は「お客の一部から残念という声もあるが、家族連れからは安心と評価されている」とする。

 喫煙客が多いパチンコ店でも完全禁煙にした例がある。県内外で「Dステーション」を展開するNEXUS(ネクサス、高崎市)は千葉市の千葉みなと店を12年に完全禁煙ホールにして来客の動向を見ている。同社は「他の店舗より広範囲からお客が来ていることが分かった。今後も禁煙の可能性を検討していく」とする。

◎愛煙家にシールで周知 喫煙対応分かりやすく

群馬県飲食業生活衛生同業組合は店のたばこへの対応を表示するシールを約2000店に配布している(2016年9月30日付より)

 禁煙だけでなく、分煙などで愛煙家に配慮した取り組みも広がっている。県飲食業生活衛生同業組合は、飲食店のたばこへの対応を示したシールを作成。県内約2000店に配布している。

 シールは喫煙自由、禁煙、分煙、時間帯分煙の4種類で、各店がそれぞれの事情に応じて掲示する。2020年東京五輪・パラリンピックや訪日外国人客(インバウンド)の増加を見据え、外国語表記も設けた。松田和典副理事長は「吸う人も満足し、吸わない人も快適に過ごせる飲食店を増やしていきたい」と話す。

 JTは、加熱式たばこを利用できる店や場所づくりなどを進めており、「吸う人と吸わない人が共存できる社会を目指す」としている。