スポーツ 地域の絆 世代超え海守る【大分県】

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日本デフビーチバレーボール協会のスポンサーであるリッコー大分工場(国東市)の社員も加わり、会場準備をする牛尾洋人さん(左から3人目)ら=2月、別府市の餅ケ浜海浜公園
聴覚障害のある子どももない子どもも参加したサッカー教室。阿比留花音さん(右から2人目)ら大学生も加わった

 ミライデザイン宣言ハピカム第4回「スポーツは地域を沸かす」(2月2日開催)では、県内の若手・中堅リーダーが地域を元気にするスポーツの力を語り合った。「する、みる、ささえる」と言われるように、スポーツは多くの人がそれぞれの形で関わることができる。出演者らの活動を追い、携わる人たちの思いをリポートする。

地域リポート(1)

 大分がデフビーチバレーボールの聖地になろうとしている。日本デフビーチバレーボール協会理事長の牛尾洋人さん(44)は昨年10月、国内初の国際親善大会を開催。その後も大分でデフ(聴覚障害者)スポーツやビーチスポーツの普及を進めている。

 大分ライフセービングクラブ理事長の尾田智史さん(42)とは大会を通して知り合った。互いに「海の魅力を広めたい」と意気投合。力を合わせ、3月24日には別府市の餅ケ浜海浜公園で「ビーチスポーツフェスタ2019」を開く。多くの人にビーチバレーボールやビーチラグビーなどビーチスポーツに親しんでもらうことが目的だ。

 2000年のオープン当初から田ノ浦ビーチを拠点に活動している尾田さんは「子どもたちの海離れが進んでいる」と感じている。「海岸は清掃など人の手を入れることで維持できる。次世代へと伝え、地域資源の保全につなげたい」と意義を説く。ヨガを担当する首藤よしひろさん(54)は「海を好きになればごみを拾う人になる」と話す。「スポーツをする人は強くて優しいでしょ」と笑った。

 世代を超えた“同志”も少しずつ増えてきた。フェスタに向け、2月下旬、牛尾さんは学生らを誘い、餅ケ浜海浜公園を清掃した。学生は別府、大分両大の手話サークルのメンバーら。大会にボランティア参加して以来、一緒に活動する機会が増えたという。ビーチフェスタも声を掛け合って、仲間を募っている。

 大分大2年の阿比留花音(かのん)さん(20)は同22日、県立聾(ろう)学校であった聴覚障害のある子どもたちのサッカー教室に参加した。教室は、やはり大会で出会った薬師寺淳子さん(49)らが毎月1回開いている。しっぽ取りゲームやドリブルでのリレーで、障害のある子もない子も大人も一緒に体を動かした。大分市下郡小5年の沢田勇心君(11)は「毎回違う人が来てくれてうれしい」と笑顔。阿比留さんは「障害の有無は関係なくみんなで楽しめました」。次回も参加するつもりだ。

 ハピカムで牛尾さんが掲げたミライ宣言は「手話であふれる街 大分」。「手話で大事なのは目と目を見ること」という。目を見つめ、心が通じ合った絆が明るい未来を照らす。

(メモ) デフビーチバレーボールは聴覚障害者スポーツの国際大会「デフリンピック」の公式種目で、ルールやコートの広さは健常者と同じ。一般社団法人日本デフビーチバレーボール協会は2017年9月、大分市に設立。今年8月に同市で第2回国際親善大会を計画している。