立ち上がる被災地 厚真・安平・むかわ【上】

被災建物の撤去進む

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 胆振東部地震で甚大な被害を受けた厚真、安平、むかわの東胆振3町。半年が経過した被災地では倒壊した建物の撤去作業が進み、春の訪れとともに土木作業も本格化する。一方、慣れない仮設住宅暮らしを続ける住人を尻目に2月21日にも大きな地震が発生するなど以前の通りの日常生活にはほど遠い。前へ進もうとする被災地の今を取材した。
(2回連載)

客足伸びた穂別博物館

◇むかわ町

使用権者と連絡が取れず、倒れたままになっている墓石=むかわ町穂別

 むかわ町の中心部では被災した建物の撤去が進み、一見して危険に思える場所は少ない。同町最大の避難所となった道の駅「四季の館」も併設ホテルの営業が再開し、スタッフの募集を始めたが、同施設のプール再開については未定。2月21日の地震では売店に置いてあるワインの瓶が倒れて割れるなどの被害があったという。

 同町商店街も大きな被害を受けた。40年以上続く老舗菓子店「ケーキショップおのでら」はそうした中で建物への影響が少なかったため早期に営業を再開できた店の一つ。店長の小野寺浩一さんは「ここらの店はだいたい住居と店舗が一体になっている。60、70代で多額の借金を抱えてまで店を再開するか、となると難しい。寂しいけど気持ちが分かるから」と話してくれた。

◇むかわ町穂別

 むかわ町穂別で採掘された多くの化石が展示されている穂別博物館。昨年11月に「むかわ町穂別の古生物化石群」が北海道遺産に登録され客足が伸びた。また、日本最大の全身骨格恐竜「むかわ竜」は7月から東京の国立科学博物館で開催される「恐竜博2019」で展示される予定だ。博物館関係者は「今年は穂別の化石群を大きくPRする絶好の機会」と意気込む。

 一方で地震の影響により博物館のリニューアル計画は白紙となった。当初の候補地だった博物館向かいの地球体験館は今月末の閉館が決まった。このほか近郊の墓地では半数近くの墓石が倒壊したまま放置されている。町によると使用権者が死亡していて連絡が取れない事例もあり、原状復帰できないという。
(北川誠)

(2019年3月6日掲載)