春色の絶景【第5回】|たったひとつを叶える旅<42>

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。

あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。

笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。

生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

ピンク色のベールが日本を覆う

日本が美しいのは、四季があるから。待ちに待った春が来ますよ。春は魔法のベールで日本全国をふわりと覆い、優しいピンク色に染め上げます。

寒さに顔が強張る冬は、終わりました。空を見上げると、春の光とピンクのベール。ピンクのベールは幸せの香りがして、誰もの頬が緩みます。年間で一番幸せを感じる季節が、来ましたよ。

世界遺産の名瀑・那智の瀧を彩る桜

創建1700年の聖地、和歌山県・熊野那智大社。熊野古道を含めた周辺一帯「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの2004年世界遺産に登録。平安時代に藤原秀衡が植えたとされる県指定文化財「秀衡桜(ひでひらざくら)」をはじめ、「枝垂桜」、「ヤエザクラ」、「ヤマザクラ」約50本が開花。名瀑・那智の瀧とともに、ダイナミックなお花見が出来ます。見頃は3月下旬から4月下旬で、毎年4月14日に「桜花祭」が開催。

■もっと知りたくなったら

ONESTORY(ワンストーリー)

国内指折りの霊場に咲く桜に、大いなる自然を敬い、感謝の念を託す。[熊野那智大社/和歌山県東牟婁郡]

熊野那智大社

住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1

アクセス:熊野尾鷲道路熊野大泊ICより車で約1時間15分/紀勢自動車道すさみ南インターより車で約1時間30分/JR西日本紀勢本線紀伊勝浦駅より熊野交通バス乗車、バス停・那智山バス停下車、乗車時間約30分

桜花祭 毎年4月14日

入場料:無料

Website:http://kumanonachitaisha.or.jp

五条川を泳ぐ400年の伝統こいのぼりと桜の花筏

愛知県岩倉市五条川の初春の風物詩は、伝統技法で染め上げた鯉のぼりの糊を五条川で落とす「のんぼり洗い」。約400年の間受け継がれてきた伝統こいのぼりが解き放たれて、五条川を生き生きと泳ぎます。川沿いの両岸に植えられた約1,400本もの「ソメイヨシノ」は、川面に桜の花びらを散らします。色とりどりの鯉のぼりの上に、ソメイヨシノの花びらが舞い落ちる初春の風景。あなたも見てみたいと思いませんか。3月下旬から4月初旬には「岩倉桜まつり」が開催。

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清水の川面にゆらゆらと浮かぶ、桜の花びらと色鮮やかな鯉のぼり。[五条川/愛知県岩倉市]

五条川

住所:愛知県岩倉市中本町中市場

アクセス : 東名高速道路小牧ICより車で約15分/名神高速道路一宮ICより車で約15分/名古屋鉄道犬山線岩倉駅より徒歩約5分

岩倉桜まつり 3月下旬から4月初旬予定

入場料:無料

Website: https://www.aichi-now.jp/spots/detail/207/

散り際に花びらに想いを残す、薄墨の桜

岐阜県

樹齢1500余年と推定されている「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)」。「日本三大巨桜」及び「日本五大桜」に認定、国の天然記念物にも指定されています。つぼみの時は薄い桜色。開花すると白色。散り際には薄い墨色。3段階に変化する珍しい桜です。淡墨桜の名前は、散り際に薄い墨色を帯びることから名付けられています。樹齢は1500年を重ねても、桜の開花時期は短く、咲いたら散るのが桜のさだめ。儚いから美しいとはいえ、桜も散り際には想いを残したいのかもしれません。例年桜の見頃は4月上旬から中旬。

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散り際の花びらに淡い墨色が滲む。日本三大巨桜の圧倒的な存在感。[根尾谷淡墨桜/岐阜県本巣市]

根尾谷淡墨桜

住所:岐阜県本巣市根尾板所995

アクセス : 名神高速道路岐阜羽島ICまたは大垣ICより車で約1時間20分/東海北陸自動車道岐阜各務原ICより車で約1時間20分/樽見鉄道樽見線樽見駅から徒歩約15分

入場料:無料

Website: http://www.city.motosu.lg.jp/sight/usuzumi/

北陸に訪れる、溢れるほどの春

春は誰にも嬉しいものですが、北陸の人たちにとっては格別です。朝日岳や白馬岳の北アルプスの山々を背景に、舟川沿いの堤防にソメイヨシノが咲くのは、待ち遠しかった富山県朝日町の春の風景。残雪の山々、桜並木、チューリップ、菜の花の4つの色彩が織りなす風景は、「あさひ舟川・春の四重奏」と呼ばれています。冬を耐え忍んだ北陸の春は、溢れるほどに鮮やか。開花時期には「あさひ桜まつり」も開催。

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整然と美しい桜並木に加え、自然がもたらす鮮やかな色彩が目を楽しませる。[舟川/富山県下新川郡]

舟川

住所:富山県下新川郡朝日町舟川新

アクセス:北陸自動車道朝日ICより車で約3分/北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅より車で約15分/あいの風とやま鉄道泊駅より、桜づつみ・チューリップ畑往復臨時バス(4月7日から18日まで・予定)乗車、所要時間約10分

あさひ桜まつり 4月上旬から4月20日頃

入場料:無料

Website: https://www.asahi-tabi.com/sijuusou/

https://www.facebook.com/AsahiSakuraConcerto/

今回のたったひとつは、日本を染め上げる美しい春色の絶景。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

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