レッズ移籍のグレイが吐露「自分はスライダーをあんなにうまくコントロールできない」
レッズのソニー・グレイ投手は、2017年途中にエース候補としてヤンキースに移籍しながら結果を残せず、オフにトレードで放出された。ピンストライプの名門で苦しみの日々を過ごした右腕は、米メディアでヤンキース首脳陣に対して「彼らは自分にタナカのようになってもらいたかった」と“恨み節”を爆発させている。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が報じた。
2013年にメジャーデビューしたアスレチックスで頭角を現したグレイ。15年にはオールスターに選出されるなど活躍し、17年7月にエース候補の期待とともに大型トレードでヤンキースに加入した。
だが、2年目の昨季は11勝9敗ながら防御率は4.90。8月以降は先発ローテーションから外され、ポストシーズンのロースターからも外れた。完全復活を期してシンシナティにやってきた29歳は、記事の中で古巣への恨み節を炸裂させている。
「彼ら(ヤンキース)は自分にタナカになってもらいたかったんだ。自分と彼は全く違うのに……」
ヤンキースで6年目を迎える日本人右腕・田中将大投手の名前を挙げたグレイ。ヤンキース首脳陣や捕手が求めたのは、田中のようなピッチング。スライダーで巧みにカウントを稼ぐことだったという。
「自分はスライダーをあんなにうまくコントロールできない。自分は2ストライクの時にショートバウンドするようにスライダーを投げたい。そういうことなんだ」
スライダーを求められて苦戦「どちらにせよ最悪だ」
宝刀スプリットの威力が注目される田中だが、鋭い切れ味に加え、絶妙なコントロールを誇るスライダーも大きな武器。プロ入り当時もスライダーが最大の武器だった。一方、田中のように自由自在にスライダーを操ることができないグレイは、カーブでカウントを稼いできたという。
「ストライクを取ろうとしてスライダーを投げる時には誤魔化そうとしてきたけど、単なる酷いスピンのかかったボールになってしまう。どうやって、あんなにいいスライダーで、みんなストライクを取っているのか、自分にはわからないんだ。カウント2-0で、スライダーを投げると、ストライクゾーンにお粗末なスライダーを投げるか、ショートバウンドでカウント3-0になってしまう。どちらにせよ最悪だ」
自信のないスライダーを投げざるを得ないグレイはマウンドでひたすら追い詰められていたという。そして、昨年9月29日のレッドソックス戦で2イニングを投げた試合について「ただカットボールを投げていたよ。ポストシーズンのロースターに入れるかと思ったんだけど、できなかったね」と明かしている。
田中にはなれなかったグレイ。ヤンキース時代の“悪夢”と決別した右腕はアスレチックス時代の輝きを取り戻すことができるだろうか。(Full-Count編集部)