伊藤博文の旧邸「滄浪閣」庭園再生へ 国交省が基本計画案

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再生した滄浪閣の松林と庭園のイメージ(昭和記念公園大磯分室提供)

 「政界の奥座敷」と呼ばれた神奈川県大磯町内に残る明治時代の元勲らの旧邸宅を整備する「明治記念大磯邸園」(同町東小磯、西小磯)について、国土交通省は27日、伊藤博文の旧邸「滄浪閣(そうろうかく)」の松林を再生させるなどした基本計画案を公表した。同省は市民から意見募集を行い、地元住民への説明会も3月に開く。

 基本計画案では大磯邸園を立憲政治の歩みと湘南の邸園文化を伝える歴史遺産と位置づけ、明治期の邸宅や庭園の姿を資料を基に修復し再現する。邸宅から海への眺望を確保するため、景観を阻害する施設の改修や撤去も行う方針。

 滄浪閣は戦後、増改築が行われ、かつての日本庭園も姿を消した。計画では隣接する駐車場の一部を撤去、資料を基に松林と庭園を再生する。さらに歴史資料の展示や学習の場となるエントランス施設を敷地内に併設する方針だ。

 また、荒廃が進む元日銀総裁・池田成彬の旧邸と庭園も修復。散策用園路のほか、交流イベントなどを開く多目的広場を整備する。大隈重信邸と陸奥宗光邸では現存する邸宅と庭園を保護。邸宅内部では大隈、陸奥らのゆかりの資料を展示する。

 国は基本計画を本年度中に策定。来年度以降、保全と修復に向けた調査活動を行い、2020年夏に一部施設の公開に向けた準備も進める。一方で滄浪閣などでは荒廃が進むことから全面公開の見通しは立っていない。

 説明会は3月9日午前10時、同11時から同町保健センターで行う。また、同19日までメールや郵送などで基本計画案への意見を募る。問い合わせは、昭和記念公園事務所大磯分室電話0463(79)8700。