被爆継承 平和推進協で 5事業委託 市は調査・研究強化 長崎市議会教育厚生委

 定例長崎市議会は6日、総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委を続行。教育厚生委では、長崎市が県外での原爆展の開催や家族・交流証言者事業などの五つを長崎平和推進協会へ業務委託する方針を明らかにした。喫緊の課題である次世代への継承を同協会が担い、市は被爆資料の調査・研究などを強化する。
 市はこれまで、平和の発信や被爆資料の収集・保存に加え、県外原爆展や家族・交流証言者事業などの次世代への継承について取り組んできた。被爆者を中心とした被爆体験講話などに取り組んできた同協会に、次世代への継承事業を委託し、被爆者に寄り添いつつ次世代の育成をすすめる態勢をつくりたい考え。
 県外原爆展は、県外の人々に原爆の悲惨さや平和の尊さを伝えるため開いている。2020年度末までに、未開催の5県で実施する計画。19年度は和歌山、山口、徳島で開催する。被爆者の体験を語り継ぐ「家族・交流証言者」事業は18年度から、国の支援事業として、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館と協働し、海外を含む長崎市外への派遣を実施。委託される5事業は、市から派遣される職員2人と同協会の職員1人が業務に当たる。
 委員は「同協会は約8割補助金が入った運営。県外、市外の人に会員になってもらい、被爆の実相をより広く発信することが必要」とし、市は「さまざまなネットワークを使って会員を増やすなど、今後とも検討していきたい」と答えた。

© 株式会社長崎新聞社