子供連れにも嬉しい観戦スタイル?J最高級の快適さを味わえる「Vシート」に迫る

2019シーズンの明治安田生命Jリーグが開幕した。

既に今季の初観戦を済ましたサッカーファンは大勢いることだろうが、一方でこれから観戦計画を立てる予定という者も多いだろう。

海外の日本代表最新情報、Jリーグ超ゴールはこちら

「どの試合を観に行くか」の判断基準は各々にあるが、いずれにしても、「日程」、「会場」、「対戦カード」などの試合情報とにらめっこをしているはずだ。

また、そもそも試合観戦の頻度が決して多くないサッカーファンを対象にしてみると、「いかに快適に試合を見られるか」という点を判断材料とするケースも大いにあるだろう。

近年は、整備された近代的なスタジアムが日本各地に点在しており、「座席が固すぎて長時間座ると体を痛める」、「座席の間隔が狭くて窮屈に感じる」、「トイレの待ち時間が長くて不便」といった、悪しきイメージの解消に成功したところも見かける。

その流れから「どうせ観戦するなら、快適なスタジアムで」とスタジアムを中心にして観戦計画を立てる者も増加している印象だ。

そして、そのようなニーズに応えるべく先陣を切っているのが、ガンバ大阪のホームスタジアムである、パナソニックスタジアム吹田である。

随所に最先端技術が散りばめられたスタジアムとして既に名が知れ渡っているが、今回は「Jリーグのスタジアムの中でも最高峰の環境」と称しても過言ではない『Vシート』に着目し、その快適さに迫りたい。

パナソニックスタジアム吹田は、収容人数39,694人のサッカー専用大型スタジアムで、座席エリアが大きく分けて上層、下層、VIP層に分かれている点が特徴だ。

下層ではピッチとの距離が非常に近く臨場感を味わえ、上層では絶妙な傾斜を活かしてピッチ全体を見渡すことができるが、VIP層はその中間に位置することから、それぞれの良さをブレンドしたハイブリット型とも言えるだろう。

VIP層は来賓用、選手やスタッフの家族用の部屋も用意されているが、実は一般客でもこのエリアで観戦可能な点はあまり知られていない。

「Vシート60」と銘打たれた座席が対象で、文字通り、VIPならではの快適さを味わいながら試合観戦を楽しめる特等席である。

(エキサイティングシードを除くと)最も高額シートであるカテゴリー1との金額差も2,000円であり、VIP層でありながら、比較的価格が抑えられている点も魅力の一つ。

「一席30万円」はなかなか手が届かないが、これなら検討の余地は十分あるのではないだろうか。

GATE3(B・Cブロック)から階段を上がると、その踊り場に専用の扉がお目見え。

扉の前には専門スタッフが配置され、開閉を手助けしてくれるなど、入場前から既に“VIP感”を漂わせる。

さらに、驚きなのはその内部である。

未だこのフロアで観戦したことがない者であれば、「こんなサッカーの見方があったのか」とカルチャーショックを受けることは必至だろう。

カーペットが敷き詰められたフロアには、指定席とは別に、当シートの観客者が共有できる机や椅子が置かれ、大型モニターも完備。このモニターでは試合中の映像も流され、間近で見たプレーをすぐさまハイライトで確認が可能だ。

また、フロアにお手洗いが併設されている点も観戦者にとって嬉しいメリット。

試合中になかなか用を足すことは難しく、ハーフタイムには長蛇の列が発生というのが、スタジアムでよく見かける景色だ。「トイレ待ちの間にゴールを見逃した…」という経験をされた方もさぞ多いことだろう。しかし、このシートでは、その不安は一切ない。

万が一、待機が発生しても、冷暖房が使用されているフロアであれば、その“不快度”は微々たるものだ。

この特権も老若男女から喜ばれることは間違いない。

「はたしてどのような観戦者が使用しているのか?」

これからVシートの利用を考えるものであれば、この情報は気になるところだろうが、筆者の印象では、比較的年齢の高い層、または小さな子供を連れた家族層が多いように見受けられた。

特に、後者の層は積極的に利用している方々も多い様子で、「専用トイレが完備」、「広大な共有スペースが用意されている」という点に高い評価を与えているようだ。

実際に利用され、その様子をInstagramにも投稿されていた方にもお話を伺ってみたが、そのコメントはポジティブなものばかりが並んだ。

「夫婦共々サッカー好きで他のスタジアムでも観戦に行きますが、どこも座席の間隔は狭く、ぐずり出した時なんかは小さい子供がいる身は肩身が狭いんですよね…。でも、このVシートは外と中を自由に行き来できるし、中も広いので子供がぐずっても安心して観戦を続けられます。トイレがすぐそばにあるのも最高です(笑)最近は、こういうシートが他のスタジアムにもあればいいのになぁとよく思います(笑)」

たしかにこのVシートは、お話のように子供連れのサッカーファンにとってはまさに打ってつけだろう。

とりわけ、小さな子供がいるサポーターは、現地観戦に対して億劫になりがちだが、快適に試合を見続けられる環境であればあらゆる不安も解消できる。

「まだ子供が小さいのでなかなかサッカー観戦に行けていない」という方には特におススメしたいものだ。

スタジアムに訪れる者の内、その半数以上が40代から上の年齢層であり、社会的な少子高齢化の影響も受け「サッカー観戦者の高齢化」も危惧されているJリーグ。

各クラブはあらゆる手を駆使して、サポーターの卵たちの確保に邁進しているが、当然ながら彼らを迎え入れるためのスタジアム作りも避けては通ることはできない。

「子供も親も快適に観戦できる環境」を最上級のクオリティーで、なおかつ手が届く価格帯で提供するパナソニックスタジアム吹田は、これからのスタジアム像におけるフラッグシップとなるかもしれない。

© 株式会社ファッションニュース通信社