[Point of View]Vol.97 「デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー」~V-1SDIを活用し、番組制作フローを最適化

txt・構成:編集部 photo:石垣星児

番組制作ワークフローの最適化

dTVチャンネルで配信されている番組「デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー」の制作現場ではRoland V-1SDIを用いて番組制作ワークフローの最適化を図っているという。実際の撮影現場での活用について、番組MCで総合演出を担当するAR三兄弟 川田十夢氏と、番組ディレクターの岩沢卓氏にお話を伺った。

AR三兄弟 川田十夢氏(左)、番組ディレクター岩沢卓氏(右)

――今回はトーク収録の現場を取材させていただきましたが、番組の内容と制作の流れを教えていただけますか?

岩沢氏:トークパートとコントパートを組み合わせた番組になります。収録は、まず、川田さんとゲストによるトークパートのから行います。ゲストの専門分野に合わせたトーク内容から、芸人さんたちにコント台本を書き下ろしてもらうコント会議の収録を行います。出来上がったコントを撮影して、全体の編集を行って、番組を仕上げています。

川田氏:2018年にAR三兄弟とラブレターズ、男性ブランコ、ワクサカソウヘイ、おぐらりゅうじというメンバーで旗上げした「テクノコント」公演がベースになっている番組なので、コントは必須。というのを岩沢さんはじめ制作陣に伝えて、最短のスピードで仕上げる形を一緒に探って、いまのような形になったというか、いまもアップデートしている最中ですね。

カート上でモニタリングだけでなくスイッチング収録も可能になっている

岩沢氏:ほんとは、読み合わせして、稽古もつけて、というの形で丁寧にやりたいのが本音ですが、新しいチャレンジゆえの大変さはしかたないかと思ってます。

川田氏:そんな、タイトなスケジュールでも、うっかりコント用のアプリを開発しちゃったりもしてますからね(笑)。

岩沢氏:ある意味、すごく贅沢って言えますね。

PCやスマホの画面も表示する必要があるのでスケーラーは必須

岩沢氏:収録現場での効率化という意味では、トークを撮ったら出来るだけ早く芸人さんたちに見てもらいたいので現場スイッチングで、トークの意図を掴んでもらえるようには意識しています。

川田氏:これまで、僕ら(AR三兄弟)が、開発したアプリや展示などをトーク中に、PCやスマホを使ってゲストに見てもらうわけですが、それを芸人にも見てもらう必要があるので、そこは工夫してもらってます。

岩沢氏:スマホの映像は、V-1SDIのスケーラー機能を使って、入力しています。番組の本編集では、スマホ本体の録画素材やカメラでの再撮など、より伝わりやすい素材を選んでいくわけですが、コントを書いてもらうための素材を用意するのであれば、収録現場で形にしてしまったほうが早いので、スイッチャーを使うようにしています。

川田氏:PCやスマホ側が、出力信号を意識しないで済むのは、ありがたいよね。

岩沢氏:実機の画面では、フルHD以上のパネル解像度が、ほとんどなので、映像出力ケーブルを繋いでも実際の操作感を失わないのは、重要なポイントですね。

――他に活用されている機能はありますか?

バッテリーを使って機動性をアップさせている

岩沢氏:細かな話ですが、音声のディレイ調整できるのもありがたいですね。あと、D-tapからの電源供給にも対応してくれたので、バッテリー運用で現場スイッチングできるのは便利です。とくにコントパートなど、撮影位置がちょくちょく代わったり、屋外での撮影もあったりなどスイッチャー活用の可能性は広がって来ますね。

正直、メインスイッチャーではないけど、ディレクターのリュックに忍ばせておいて、技術部と調整しながら使うという意味では、面白いと思います。ネットワーク環境があれば、そのままストリーミングするなど、小型のスイッチャーがあることで実現できる新しいコンテンツ発信の方法は色々あると思いますね。

「デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー」
毎週土曜 午後10:00~ dTVチャンネル ひかりTVチャンネル+で配信中
企画開発ユニット・AR三兄弟の川田十夢をMCに、さまざまな専門領域のゲストを迎え、対談形式でジャンルごとに未来の技術を提案。さらに、お笑い芸人のラブレターズ/マツモトクラブ/男性ブランコと、作家のワクサカソウヘイが、コントでデバッグしようとする実装バラエティ番組。トークとコントの2部構成。
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