6度目のMotoGP王者獲得に挑むマルケス「左肩はほぼ100%回復した」/開幕戦カタールGP事前コメント

 3月8~10日に行われる第1戦カタールGPで開幕する2019年シーズンのMotoGP。シーズン開幕戦に向けて、ホンダ、ドゥカティ、ヤマハ、スズキのファクトリーライダー6名と2年目のシーズンに挑む日本人ライダー、中上貴晶が意気込みを語った。

■LCRホンダ・イデミツ

●中上貴晶
 MotoGP1年目のシーズンをランキング20位で終えた中上。2年目シーズンオフのテストをすべてトップ10圏内で終えた。レースでも目標はまず常にトップ10フィニッシュ、そして、表彰台、勝利をねらっていく。

 MotoGPクラスデビュー戦となった2018年のカタールGPでは17位でゴール。Moto2時代には2017年に3位に入賞経験を持ち、中上にとってロサイルは得意とするコースだ。MotoGPクラス2年目のシーズンに向けて期待が高まる。

「2019年のマシンのフィーリングはとてもいいので、レースがとても楽しみです。また、オフシーズン中の努力が、決勝に向けてどのように役立つのかも楽しみです」

「2週間前にカタールでテストをしたとき、チームととてもいい仕事ができました。ペースはとてもよく、開幕戦がとても楽しみになりました」

「開幕戦は期待も大きく、ナイトレースは特別な雰囲気があります。ホンダとチーム、そしてすべてのスポンサーとファンのためにベストを尽くします」

■ミッション・ウィノウ・ドゥカティ

●ダニロ・ペトルッチ
 プラマック・レーシング時代もドゥカティの契約ライダーとして活躍。その実績が認められ、2019年ファクトリー入りしたペトルッチ。ロサイルでは表彰台獲得経験はないものの、2018年は予選でフロントロウ3番手、決勝5位に入賞。ロサイルでの初表彰台獲得となるか。

「開幕前のテストがうまくいって、新シーズンを始める準備ができていることがハッピーだ。チームとの初仕事から、このチャンスを最大限に生かすため、フィジカル面でもメンタル面でも自分を最適な状態にすることに務めた。トレーニングや食事についても重要な変更を行ない、開幕戦に向けて準備はできている」

「ウインターテストでは毎セッション、速く走ることを心掛けた。しかし、最終的に重要なのはレースで、それはまた別の話となる。ロサイルテストを考慮すれば、多くのライバルがいる。彼らを引き離すのは簡単ではないが、僕たちはいいカードを持っていると確信している」

●アンドレア・ドヴィツィオーゾ
 2年連続ランキング2位に終わったドヴィツィオーゾ。2019年こそタイトル獲得が目標のシーズンとなる。

 ドゥカティ入りして2019年で7年目。マシン開発にドヴィツィオーゾが果たした役割は大きい。ロサイルでは2015年から3年連続で2位入賞、昨年は優勝しており、ドヴィツィオーゾとドゥカティが得意とするコース。開幕ダッシュを見せることができるかどうかに注目が集まる。

「ウインターブレークの間、僕たちは積極的に、かつ入念に仕事に取り組んだから開幕戦に向けて戦う準備はできている。カタールテストのタイムはほどんどのライダーがレースペースで走っていたから、(2019年シーズンの)全体像は表していない」

「僕たちはたくさんのデータを集め、開幕戦に向けて可能な限りのベストな戦略を考えるためにデータを詳細に分析した。金曜日にコースインして初めて、自分たちのレベルとライバルのレベルを評価できるようになるが、重要なことは、現時点で僕たちのマシンに対するフィーリングがとてもいいということだ」

■チーム・スズキ・エクスター

●ジョアン・ミル
 今年からMotoGPクラスに参戦するミル。2017年にMoto3クラスのチャンピオンを獲得。2018年はMoto2クラスでランキング6位を獲得した。Moto2で優勝はできなかったが、2位に2回、3位に2回、通算4回表彰台に立った。

 世界GPレギュラー参戦4シーズン目で最高峰クラスに到達したミルが、MotoGPクラスでどんな走りを見せるかに注目が集まる。

「シーズンの開幕が本当に楽しみ。いいテストができたので準備はできている。2019年に向けて期待するのは、MotoGPクラスでできるだけ多くのことを学び続け、トップとの差を常に縮めること。学ぶことと向上させることが僕のプライオリティとなる。そして、それはトップのライダーに近づくためのいい方法でもある」

「経験豊富なライダーたちとレースをすることはとても楽しいだろう。ロサイルは僕にとって自信のあるコース。2週間前のテストでも、マシンを改善できた。これはカタールでのポジティブな週末に向けて、僕に大きな希望となる」

 MotoGPクラス参戦2年目の2018年に2位に3回、3位に2回入賞するなどに躍進したリンス。今年はスズキのエースとなり、テストでも順調にマシン開発を進め、カタールテストを総合3番手で終えた。ロサイルではMotoGPクラスでは2017年の9位がベスト、昨年は転倒リタイアに終わっている。
「ついにレースモードに入る。ウインターテストはポジティブでマシンのいい改善点を見つけ、ライディングを楽しめた。しかし、レースは異なるものとなる。スズキのエンジニアと開発陣は冬の間、すばらしい仕事をしてくれた。マシンの改良についてとても満足している。もちろん、まだ改善する必要があるが、開発の余地はまだ残されている。MotoGPではレースと開発は終わりのない挑戦だ。僕たちは毎週、全てのセッションでベストをつくす。昨年は多くの表彰台を獲得し、大きな成果を達成した。これが今年の目標でもあり、さらに競争力を向上さえ、まずは1勝、それ以上の勝利に向けて努力したい」

●アレックス・リンス
 MotoGPクラス参戦2年目の2018年に2位に3回、3位に2回入賞するなどに躍進したリンス。今年はスズキのエースとなり、テストでも順調にマシン開発を進め、カタールテストを総合3番手で終えた。

 ロサイルではMotoGPクラスでは2017年の9位がベスト、昨年は転倒リタイアに終わっている。

「ついにレースモードに入る。ウインターテストはポジティブでマシンのいい改善点を見つけ、ライディングを楽しめた。しかし、レースは異なるものとなる。スズキのエンジニアと開発陣は冬の間、すばらしい仕事をしてくれた。マシンの改良についてとても満足している。もちろん、まだ改善する必要があるが、開発の余地はまだ残されている」

「MotoGPではレースと開発は終わりのない挑戦だ。僕たちは毎週、すべてのセッションでベストをつくす。昨年は多くの表彰台を獲得し、大きな成果を達成した。これが今年の目標でもあり、さらに競争力を向上さえ、まずは1勝、それ以上の勝利に向けて努力したい」

■モンスターエナジー・ヤマハMotoGP

●マーベリック・ビニャーレス
 ヤマハに移籍した2017年の1戦目となるカタールで優勝を飾ったビニャーレスだが、ロッシと同様にマシン面の問題を抱えていた。

 しかし、2018年の第17戦オーストラリアGPで久しぶりの勝利を達成。第15戦タイGPでマシンに投入された改良が効を奏した。

 2018年はこれをベースにさらにマシンの改良を進めており、最終のカタールテストを総合トップで終えた。ロサイルでは2017年に1勝、昨年は6位に入賞している。

「新しいシーズンが始まることは興奮するし、待ちきれない。ウインターテストはとてもポジティブだった。カタールの3日間のテストでとても速かったから、ポジティブな気持ちで初戦を迎えられる。いいリズムがあるよ」

「ロサイルでの開幕戦は冬の間に行なった仕事がうまくいったかどうかを確認するためにも重要なレースとなる。現時点で僕たちのマシンには多くの長所がある。プレシーズンのテストを通じてマシンのフィーリングはよかったから、限界までプッシュした」

「僕たちは昨年に比べて一歩前進した。再びいい方向でマシンをライディングできている。やるべきことはまだたくさんあるが、今週末、表彰台争いに加わることができると思う。何より、ヤマハとともに新しいシーズンを始めることができるのはとても興奮するよ」

「表彰台、優勝を目指して戦うために、仕事を続け、マシンの改良に集中しなければならない。ロサイルはヤマハで初優勝を飾ったコースだから、特別な思い出がある。これは僕にとって特別なモチベーションとなる」

●バレンティーノ・ロッシ
 2019年の2月に40歳を迎えたロッシ。タイトル奪還に向けてまだまだ士気は衰えていない。

 ここ数年、マシンに抱えた問題の解決が図られたかどうかが2019年シーズンのカギとなる。カタールは過去5年では、2014年に2位、2015年に優勝、2017年と2018年に3位と、5年間で4回表彰台を獲得している。表彰台を逃した2016年も4位だった。

 ロッシにとって相性のいいカタールで、いいスタートを切ることができるか。

「ついに開幕戦が始まる。プレシーズンのテストはとても重要だったが、セパンでもカタールでも僕たちは一歩前進し、ポジティブなテストができた」

「今週の金曜日に2019年最初のレースウイークが始まり、多くのことをより理解できるようになるだろう。フリー走行を通じてマシンを進歩させ、レースに備えたい」

「フィーリングはいい。この冬はいいトレーニングができたし、チームやヤマハのスタッフと共に新しいシーズンのスタートに向けて準備はできている。ベストをつくすよ」

■レプソル・ホンダ・チーム

●ホルヘ・ロレンソ
 2019年シーズン、ホンダに移籍したロレンソ。MotoGPクラスではヤマハ、ドゥカティに続いて3メーカー目となる。

 ロレンソは、年明けの1月にイタリアでトレーニング中に転倒して左手舟状骨を骨折。このためセパンテストを欠場することになった。カタールテストでは復帰したが、マシンへの習熟の時間は十分ではない。

 過去5年間のカタールでは2016年に1勝を記録しているロレンソ。ドゥカティ時代の2017年は11位、2018年はリタイアに終わっている。

「プレシーズン中は、ずっとカタールのスターティンググリッドに立つことを想像していた。レプソル・ホンダのために走るという特別な瞬間になるだろう。ホンダのために可能な限りのベストリザルトの獲得するために全力をつくす準備がある」

「不運にも僕は全力で走れないけど、いい結果を獲得できると思う。チャンピオンシップは非常に競争力が高い。ベストライダーたちと戦うために必要なパッケージがある。いい結果を達成できることが分かっている」

●マルク・マルケス
 2018年MotoGPクラス通算5回目のタイトルを獲得、2016年から3連覇を達成したマルケス。このシーズンオフ中に、左肩の脱臼ぐせを解消する手術を受けたため、オフはリハビリに専念していた。

 過去5年のカタールGPでは2014年にポール・トゥ・ウイン、2016年に3位、2018年は僅差の2位に入賞。4連覇をねらう2019年シーズン、新たなチームメイトとしてロレンソが加わった。その開幕戦をどう飾るかに注目だ。

「いよいよレースの時が来た。今年のシーズンオフは左肩の手術を受け、その後、1日5時間のリハビリを続け、今までと異なるシーズンオフを過ごした。開幕戦に向けて、少しでもいい状態にすることが目標だった。カタールテストはセパンテストよりもいい状態で、左肩はほぼ100%回復したと言えるだろう」

「ホンダはベストなマシンを開発しようと努力をし、僕たちにとってベストではないカタールのコースでは強さを感じたが、改良を継続する必要がある。カタールはいつも特別。開幕戦というだけでなく、コンディション、特に気温に注意しなければいけない」

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