衝撃デビュー!神戸DFダンクレーとは何者か?

ヴィトーリア・セトゥバウからヴィッセル神戸に加入し3月1日に登録されたばかりのDFダンクレー(Dankler Luis De Jesus Pedreira、ポルトガル語ではダンキレルとも)が衝撃的なデビューを飾った。

センターバックでありながら、この試合で『Football Lab』ではパスのスコアも高い値を残し、『sofascore』によるとパスの成功率は96%と攻守に渡り奮闘した。その姿は、ヴィッセルの弱点とも言われていた守備の向上に寄与すると思われる。

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さて、このダンクレーとは何者なのだろうか?簡単に紹介する。

意外!?地道なキャリア

ブラジルのヴィトーリアでキャリアを始め、ボタフォゴ、ジョインヴィレを経てポルトガルのエストリル、ヴィトーリア・セトゥバウでプレーした。また、フランスのランスでもプレー経験がある。

ブラジル全国選手権は1部で通算30試合1得点、ポルトガル1部でも60試合1得点をあげている。意外かもしれないが、ビッグクラブでのプレー経験はなく、また得点数も決して多いとは言えない。2018-19シーズンはヴィトーリア・セトゥバウで23試合に出場していた。

経歴上では特徴が見えにくいだけにヴィッセル神戸のスカウト力を評価する声もあがっている。1992年生まれとまだ若く、50万ユーロ(およそ6300万円)の移籍金とくれば“掘り出し物”と言っても間違いない。

圧倒的な身体能力と足元も兼ね備える

そのプレースタイルはJリーグで見せた通りで、まさにブラジリアン・ザゲイロ(ポルトガル語でセンターバックの意味)を体現したような選手だ。187cmの長身で圧倒的な身体能力があり強さ高さ速さを兼ね備えている。アグレッシブな守備が得意でボールを積極的に奪い取るようなディフェンスを見せる。

その一方で、高い攻撃力が特徴だ。特にパスはストロングポイントの1つといってよく、この試合でもアシストにはならなかったがビジャへのパスは一瞬にしてチャンスを生んだ。これまでもシーズンを通して80%のパス成功率を超えることは多く、96%のパス成功率は決してフロックではない。縦へのパス意識の高さはダンクレーらしさの象徴の1つだ。

Jリーグではまだドリブルはほとんど見せていないが、自らボールを持ちあがっていく力もありかつての闘莉王やルシオといったブラジル出身の選手を彷彿とさせる部分がある。

課題は?

このように書くと全く弱点の無い選手のように思えるが課題もなくはない。この試合でもイエローカードを唯一もらったようにフィジカルは時として荒々しさにつながるし、また身体能力に頼り雑さが見受けられることもある。ポルトガルでは前半戦だけでイエローカード4枚を数えた。この先はファールになりやすいとも言われるJリーグの審判事情にも適応していかなければならないだろう。

また、データサイト『whoscored』によるとインターセプト、集中力がストロングポイントとしながらも、空中戦、ボールを収める力が弱点としてあげられている。ただ、弱点は良くその行動が行われているからこそ出るものでもあるのであまり気にしなくてもよいだろう。

とはいえ、これらは些細な問題だ。まだ若く順調にいけばJリーグナンバーDF、そしてヨーロッパのより大きなステージへとステップアップしていく可能性は高いだろう。

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