豪州カンガルー肉のクオリティー メキシコの豚肉のジューシーさも

 95の国と地域、3500の組織が参加する大規模な食の見本市「FOODEX JAPAN 2019」に足を踏み入れた。会場は千葉・幕張メッセ、4日間で約8万人が会場を訪れた。

カンガルー肉を調理する女性=千葉

 豪州の企業ではカンガルー肉の客引きをしていた。「カンガルーなんてゲテモノ肉の走りじゃないか」と通り過ぎようとすると、どうもこのカンガルーは様子が違う。放し飼いですらなく、原野を自由に動き回り草を食んでいるという。「これがクオリティーを高くしているんですよ」と担当者。

 いわばグラスフェドの牛肉だ。肉質もそっくりで真っ赤な低脂肪。ミネラルやビタミンも豊富だという。あっさりとした風味、すっきりとしたかみ応えが良かった。

 「メキシコの豚肉はいかがですかあ」 あまりなじみのないかけ声に振り向いてしまった。メキシコ産の豚肉が日本でも流通していると聞いて、そのつながりがいまひとつ想像できず驚いた。

 97年の台湾の口蹄疫が原因でシェアを上げ、輸出量のほとんどが日本向け。取材した「豊熟もち豚」は砂漠やカリフォルニア湾に囲まれ、病原菌は最低ランク。ランドレース種など3種を交配しているので「もちもちとしてジューシーですよ」と担当者。

 熱々の鉄板から取り分けてもらう。ちょっと白っぽい肉だが、口に含むと肉汁のしたたること。もちもちとした歯触り、とろける肉の味で本当においしかった。

 

クラフトビールを比較する外国人男性=千葉

 今回テーマの一つとなったのがクラフトビール。ミニコーナーを作った。一時ほどの勢いはなくなった感じだが「それも底を打ったようです」とS&M Trading営業部の畠田直哉さんは解説する。畠田さんの会社が扱う「サンタモニカ」のシリーズがそれぞれに幅や力があり良かったが、やはりクラフトビールは自分の足と舌で探したい。

 前から思っているのだが、ベジタリアン食品の最近のそっくりさんぶりはどうだろう。中国・上海で79年から続く天恩ブランドは唐揚げやソーセージなどを出品。大豆タンパクやデンプンなどを使った商品はもはや“作品”。さらなる可能性を感じさせた。

 例年通り、ハラルやジビエの出店も。さまざまな興味の人が満足できた企画だったろう。

 (47NEWS 中村彰)

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