【MLB】イチロー伝説に解説者が「なんて選手」4連発 敵監督はレーザービーム誕生時の三塁手

マリナーズ・イチロー【写真:田口有史】

中継中にルーキー時代の伝説を次々紹介、伝説レーザーに「すごい強肩誕生でした」

 マリナーズのイチロー外野手は7日(日本時間8日)、オープン戦のレッズ戦に「6番・左翼」でスタメン出場し、2打数無安打1四球だった。相手監督は、背番号51が2001年に伝説の「レーザービーム」送球を繰り出したときにボールを受けた元三塁手のデビッド・ベル。敵地中継局では数々のイチロー伝説を紹介し、解説者が「何てプレイヤーなんだ!」を“4連発”するなど最敬礼していた。

 3回裏に迎えたレッズの攻撃。敵地シンシナティで試合を中継していた「FOXスポーツ・オハイオ」の話題の中心は対戦相手の“レジェンド”だった。

「魔法のマリナーです。見てくださいキャリアの成績を。打率、安打数、盗塁数はトップ。試合数は2位。WAR(Wins Above Replacement)は3位なんです」

 実況はイチローのマリナーズでの通算成績を紹介。打率.322、2542安打、438盗塁は球団史上最多の数字。1859試合出場は歴代2位。米国で最も重要視されるWARという指標は「56.4」で、ケン・グリフィー・ジュニア(70.6)、エドガー・マルティネス(68.4)という殿堂入り選手に続く同3位となっている。

 そして、中継ではレッズの新監督も目の当たりにした“イチロー伝説”を紹介した。

「イチローの送球を最初に見たのはレッズの新監督、デビッド・ベルでした。イチローのメジャー1年目で、右翼手で、すごい強肩誕生でしたね。ライトからサードへの送球をキャッチし、アウトにしたのがデビッド・ベルでした」

解説者は最敬礼「何て選手だ。何て選手だ。何て選手なんだ!」

 ルーキーイヤーの三塁への補殺といえば、2001年4月11日のアスレチックス戦。4月2日にメジャーデビューを果たしたばかりのイチローは、8回1死一塁でライト前へのヒットを捕球すると、三塁へノーバウンドでストライク送球した。150キロは出ていようかという矢のようなボールをキャッチしたのが、当時の正三塁手だったベル監督だ。一塁走者のテレンス・ロングをタッチアウトにすると、当時のテレビ実況は「レーザービームだ!」と絶叫。イチローの代名詞となった伝説のスーパープレーを敵地実況も忘れていなかった。

 そして、イチローのルーキーイヤーの伝説“紹介”はまだ続いた。

「スプリングトレーニングでイチローの打撃練習が行われていました。イチローは内野にばかり打ち返してました。それを見て、ルー(ピネラ監督)がやってきました。そこでルーが、『お前ホームラン打てるんだろ。証明してくれ』と言ったんですね。そして、試合に出場して、第1打席ですよ。いきなりホームランを打ったわけなんです。彼は戻ってくると、ルーにこう言ったそうです。『どうだい』とね。何て選手なんでしょう」

 実況が噛みしめるように語ると、解説を務めていた元投手のクリス・ウェルシュ氏は「何て選手なんだ。まさにそうです。何て選手だ。何て選手だ。何て選手なんだ!」と4連発の“最敬礼”。「いつの日か、彼は殿堂入りするでしょう」と続けていた。

 この回、2死二塁のピンチでは、菊池雄星投手がジェネットに大飛球を打たれると、レフトフェンス際でイチローがキャッチ。「イチローがいいプレーです」。実況は失点のピンチを防いだ45歳の守備も評価した。今季はどんな伝説が生まれるだろうか。(Full-Count編集部)

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