子育て充実、改憲反対 岸氏が政策発表 神奈川県知事選 2019かながわ統一地方選

 任期満了に伴う神奈川県知事選(21日告示、4月7日投開票)に無所属での立候補を表明している岸牧子氏(62)=共産党推薦=が8日、県庁で会見し、中学校給食実施など子育て施策の充実、中小企業支援、改憲反対など5項目を柱にした基本政策を発表した。

 取り組む施策として▽小児医療費助成制度の対象を18歳まで拡大▽公契約条例制定で最低賃金1500円実現を支援▽特別養護老人ホームの増設と待機者ゼロ▽米原子力空母の横須賀母港撤回▽市町村が行う住民支援策に対する財政的・人的支援-などを挙げた。

 中心施策の一つとして、県内全ての中学校で完全給食を行う考えを示した。「カジノより中学校給食。県内の未実施校に1億円を出せば合計180億円で実現できる」と述べた。また、育児の必需品を詰めた「赤ちゃんボックス」を新生児に届けることを提案。県内企業から物品を調達し、地域経済の活性化にもつなげるとした。財源については、基金の活用や事業の見直しなどで予算を確保する考えを示した。

 岸氏は、「神奈川は財政力が高い豊かな県なのに、教育、福祉がおろそかにされている」と黒岩県政を批判。「私の政策で全体を貫くのは、『誰一人取り残さない社会』だ」と述べた。

◆岸氏の主な公約

・医療費無料化の対象を18歳まで拡大

・県内の全中学校で完全給食を実現

・新生児に「赤ちゃんボックス」プレゼント

・街と人を荒廃させるカジノをつくらせない

・原発、石炭火力発電はいらない

・ヘイトスピーチをやめさせる条例制定

・米軍基地撤去を国に求める

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