皮膚がん進行度即判定、高精度ペン型機器を開発/弘大・岡部助教らグループ

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研究成果を説明する岡部助教。開発したペン型機器で病変部の温度や熱伝導率を測定する

 弘前大学大学院理工学研究科の岡部孝裕助教(熱流体工学)、圓山(まるやま)重直・八戸工業高等専門学校校長(同)、東北大学病院皮膚科の医師らの研究グループが、皮膚表面の温度を高精度に測定して熱伝導率を導き出す技術を開発し、皮膚がんの一種・悪性黒色腫(メラノーマ)の進行度の判定に応用することに成功した。従来より早期かつ簡便な判断が可能となり、今後、臨床研究を重ねて医療機器として実用化を目指す。

 研究成果は7日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。

 メラノーマは進行が速く致死率が高いがんで、早期診断・治療が重要とされる。現在はがんを試験採取して進行度を判断しているが、診断の確定には2~3週間ほどかかるとされる。また、初診時はがんかどうか医師が目で見て診断するが、専門医でも診断が難しい場合があるという。

 研究グループは、がん組織と健常な皮膚とでは、熱の伝わり方が異なることに着目。メラノーマ患者11人について病変部と健常部の熱伝導率を測定した。その結果、初期の表皮内がんでは健常部よりも熱伝導率が小さいことや、真皮への浸潤後は進行するほど健常部よりも熱伝導率が大きくなることを明らかにした。

 岡部助教は、皮膚表面の熱伝導率を高精度に測定するためのペン型機器を開発した。接触部は0.4ミリで、体を傷つけることなく、1分ほどで測定可能という。

 「熱伝導率という数値を判断材料にすることで、医師の熟練度にかかわらずメラノーマかどうか診断する一つの指針になる」と岡部助教。専門医がいない地方の患者の治療に役立つと期待している。