【MLB】オフの動きワースト6…ハーパー獲り“傍観”のヤンキース、カブスに厳しい評価

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フィリーズとの大型契約を結んだブライス・ハーパー【写真:Getty Images】

オフの各球団の動きについて評価、選手獲得に動かなかった球団には厳しい見方

 オフのFA選手の中で超大物といわれていたマニー・マチャド内野手(パドレスに移籍)とブライス・ハーパー外野手(フィリーズに移籍)が移籍先を決めたメジャーリーグ。まだ新天地が決まっていない選手も少なくないが、戦力アップに成功したチームと失敗したチームの明暗は分かれている。

 米メディア「ブリーチャー・レポート」は「2019年、オフの後悔ランキング」と題した記事を掲載。各球団のオフシーズンの動きで疑問符が残るものをピックアップし、ランキング付けしている。注意書きとして、ある程度の主観と憶測が入っていること、選手獲得に動かなかった球団には厳しい見方をしていることが記されているが、そのワースト6は……。

 ワースト6位は「レンジャーズがランス・リンと3年3000万ドル(約33億5000万円)の契約」。15、16年に地区連覇を果たしたレンジャーズだが、昨季途中にエースのコール・ハメルズ投手を放出していることからもわかる通り、再建期間を迎えている。にもかかわらず「年俸が割高なベテランのリンを獲得したのは不必要な出費」だと指摘。32歳を迎え、これまで有能なイニングイーターとして活躍してきたリンだが、昨季は防御率4.77と衰えが見えている。

 ワースト5位には「ジャイアンツがマディソン・バムガーナーのトレードをしていないこと」が入った。29歳という若さだが、すでに3度のワールドシリーズ制覇に貢献し、14年にはワールドシリーズMVPに輝いたジャイアンツのエース左腕バムガーナー。多くのベテランの高額契約を抱えるジャイアンツは衰退期にあり、今季終了後にFAとなるバムガーナーはトレード候補として名前を挙げられているが、結局、動きはなかった。記事では「球団はギリギリまでバムガーナーをトレードしない意向で、ジャイアンツは売り時を間違えているのでは?」と指摘している。

「レッドソックスが(今のところ)抑え投手を獲得していない」は4位。昨季チャンピオンリングを獲得したレッドソックスだが、73試合に登板したジョー・ケリー(ドジャースに移籍)と直近3シーズンでクローザーを務め、昨季42セーブを挙げたクレイグ・キンブレル(移籍先未定)がFAに。記事では、「球団内にはマット・バーンズとライアン・ブレイシアが守護神候補として在籍しているが、彼らには抑えの経験がない」と分析。昨季ブレークした元広島ブレイシアらがいるものの、ブルペンに不安を抱えているレッドソックスが抑え投手を獲得しないことを疑問視している。キンブレルはポストシーズンで不安定な投球に終始したが、再契約を前向きに検討するべきだとした。

ワースト2位はヤンキース、1位はカブス…

 そして、ワースト3位は「インディアンスが外野手問題の解決に関して十分に力を入れていない」。昨季91勝を挙げて地区3連覇を果たしたインディアンス。しかし、ホセ・ラミレスやフランシスコ・リンドーアのいる内野陣や、コーリー・クルーバー、トレバー・バウアーらが率いる投手陣に比べ、外野陣は選手数こそ多いものの質の面で昨季の時点で不安が残っていた。

 そこからマイケル・ブラントリー(アストロズ)、ロニー・チゼンホール(パイレーツ)らがFAとなったが、代役の補強がないことを不安視している。「現状の外野陣は、弱小のア・リーグ中地区を牛耳るには十分な戦力かもしれない」としながらも、「外野を補強せずにア・リーグのエリートチームたち(ヤンキース、レッドソックス、アストロズ)に食らいついていくのは難しい」と、プレーオフで上を目指すならば外野手問題の解決は不可避だとしている。

 メジャー随一の名門球団はワースト2位に挙がった。「ニューヨーク・ヤンキースがブライス・ハーパーと契約しなかった」。ヤンキースの外野陣はアーロン・ジャッジ、アーロン・ヒックス、ブレット・ガードナー(ジャンカルロ・スタントンも外野起用できる)らが揃っており、層、質ともにリーグトップレベルを誇っている。しかし、「ヤンキースのラインナップは右打者編重となっており、それを解消する意味でもブライス・ハーパーを獲得すべきだった」という。

 フィリーズと13年契約を結んだハーパー。「30代を迎えて劣化するだろうし、ヤンキースのロースターは現時点で優勝候補だ」と必要十分な戦力を有していると評価しているものの、「打者有利のヤンキースタジアムでハーパー、ジャッジ、スタントンのラインナップを想像してみよう。昔だったら未来の負債を考えずにきっと獲得していたに違いない。今はそんなことないようだ」と、他チームが動きを見せる中で“傍観者”となったヤンキースが、以前とは変わってしまったことを嘆いている。

 そして、ワースト1位には「シカゴ・カブスの主な補強がハメルズのオプション行使だけ」を選出した。昨シーズン途中にカブスに加入したハメルズは、移籍後76回1/3で防御率2.36と好投を見せた。しかし、35歳という年齢に加え、昨季のFIP(Fielding Independent Pitching)が4.49と良くなかったことが不安要素であると指摘(FIPは運や守備力の影響を極力排除し、投手の純粋な能力を測る指標で、現在のMLBでは投手を評価する場合、防御率よりも重視されることが多い)。また、ハメルズ以外の補強がほとんどないことが、カブスの失敗だと述べられている。

 カブスが所属するナ・リーグ中地区のほかの球団は補強を進めていることから、記事では米スポーツサイト「ベースボール・プロスペクト」内の勝敗予想で、カブスが79勝83敗の地区最下位とされていることを紹介している。ただ、ネガティブな要素だけではない。昨季故障で8試合の登板に終わったダルビッシュ有投手はスプリングトレーニングで順調な調整を続けており、カブスにとって“最大の補強”になるかもしれない。

 各球団の思惑が交わるオフシーズン。補強が正解だったか失敗だったかはシーズンが終わらないとわからない。開幕がすぐそこまで迫っているMLBから今年も目が離せなさそうだ。(Full-Count編集部)