旧室蘭駅舎【35】

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道内最古の現存“遺産”

現在は室蘭観光協会の事務所や観光案内所として利用される旧室蘭駅舎

 北海道の鉄道は初期のころ、空知地方から産出される石炭を輸送するため発展した。1892年(明治25年)には、室蘭港から石炭の積み出しを行うため、岩見沢―輪西間に鉄道が敷かれた。

 新室蘭市史などによると、室蘭停車場は新日鉄住金室蘭製鉄所一門付近に置かれたが、輪西から室蘭港への鉄道延伸が決まり、97年に仏坂下(入江町)に新設された。

 その後、港に近い現室蘭開発付近に移転。1912年、現在の旧室蘭駅舎の場所に落ち着いた。

 旧室蘭駅舎は道内に現存する駅舎としては、最古の木造建築物で建築面積は686平方メートル。寄せ棟造りでしっくいの白壁、がんぎと呼ばれる雪よけのアーケードが付いている。

 この駅舎は97年(平成9年)、新しい室蘭駅の開業により使用を終え、99年には国の登録有形文化財、2010年にJR北海道の準鉄道記念物にそれぞれ選定されている。

 現在はJR北海道から室蘭市に譲渡され、室蘭観光協会の事務所や観光案内所として利用されている。

 市青少年科学館で展示されている蒸気機関車D51が今年8月には旧駅舎横のぽっぽらん公園に移設され、上屋など整備、10月に公開を予定している。

 これに関連して、空知の炭鉱、室蘭の鉄、小樽の港を結びつけた産業遺産「炭鉄港」の日本遺産登録も目指している。
(池田勇人)

(2019年3月10日掲載)