「衝突直前に白い物体を目撃」と船長証言 佐渡汽船ジェットフォイル衝突

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船尾付近を潜水調査する海保職員と、岸壁から船体を調べる運輸安全委員会の調査官ら=10日午後2時30分前、佐渡市の両津港

 新潟県佐渡市姫崎沖で9日、航行中の佐渡汽船のジェットフォイル「ぎんが」が水中浮遊物と衝突し80人が負傷した事故で、操船していた船長が佐渡海上保安署の調べに「衝突直前に船首左側に白い物体を目撃し、避けようとした」と話していることが10日、分かった。同署は水中翼に大きな破損がないため「軟らかい物体がぶつかった」とみてクジラなどと衝突した可能性や、過失の有無を調べている。

 同署は10日、両津港に係留中の船体の本格調査を始め、事故当時に操舵(そうだ)室にいた男性船長(40)ら船員3人から事情を聴いた。事故直前は時速約74キロで航行していたことが判明。白い物体を避けるため、かじを右に切ろうとしたが、衝突を回避できなかったという。

 また、異常があった後方の水中翼は、潜水調査で破損が見つからなかった一方、根元が進行方向後ろ側に曲がっていた。船尾右舷には横17センチ、縦3センチの亀裂を確認。阿保(あぼ)永人次長は衝突により可動式の水中翼が「持ち上がるように強く船底に当たったことも考えられる」と述べた。

 20代~70代の男女13人が骨盤骨折や頸椎(けいつい)損傷などの重傷を負った。シートベルトをしていても負傷したケースがあり、けが人は客室の後部付近に比較的多かったという。

 海面下を泳ぐクジラなどを避けることは難しいとした一方で、業務上過失傷害などの疑いがないか、慎重に捜査する方針を示した。

 また、運輸安全委員会の調査官3人も10日、船内などの調査を始めた。水間貴勝(たかき)統括船舶事故調査官は関係者やけが人の聴き取りを進めると説明。「今後、船体を陸揚げして修理する機会に船底も調べる」とした。