卒業生5人、思い出胸に前へ 松田町寄中で卒業式と閉校式

卒業式で来場者と校歌を歌う卒業生の5人=松田町立寄中学校

 少子化により今春で統合される松田町立寄(やどりき)中学校(同町寄)の卒業式と閉校式が10日、同校で行われた。最後の卒業生5人のほか、地元住民ら約450人が参加。72年の歴史に幕を下ろす母校との別れを惜しんだ。

 町立松田中学校(同町松田惣領)と統合。町で唯一の中学校として、4月から新たなスタートを切る。寄中では2016年に閉校が決まって以来、現在の1、2年生は新校が置かれる松田中に入学。在校生は、3年女子の5人のみとなっていた。

 卒業式では、植松さとみ校長が「寄中の卒業生の誇りを持って歩んでほしい」と激励。「送りのことば」では、校庭を共有してきた隣接の町立寄小学校の全校児童約40人が「私たちのあこがれでした」「寄小、寄中のことを忘れないで」と呼び掛けた。卒業生を代表し川野真愛弥(まあや)さんが「5人はこれから別々の道を歩んで行く。寄中での思い出を胸に、力強く羽ばたきたい」と述べた。

 閉校式では校旗の返還が行われ、卒業生の大舘愛翔(まなか)さんから歴代教育長、校長とリレーされた校旗が吉田保夫教育長に渡り、最後は本山博幸町長に納められた。式後の懇親会には、作曲家の卒業生が楽曲を提供している関係でアイドルグループ「AKB48」のメンバーが来校、ミニライブで華を添えた。

 寄中は1947年に創立。一時は1学年の生徒数が60人を超えたが、近年は過疎化や少子化などで生徒数が減少していた。最後の5人を加え、計2380人が学窓を巣立った。

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