9日に引き続き連投となったが最速148キロをマークした奥川
第91回選抜高校野球大会に出場する星稜が10日、金沢市内のグラウンドで光泉(滋賀)と練習試合を行った。1戦目で前日の小松戦に続くマウンドに立った奥川恭伸投手(2年)は3回を2安打無失点と好投した。
前日に比べストレートのキレが良く、2球だけだったがスライダーも解禁し感触も確認。「ストレートは昨日より指のかかりが良かったですが、変化球は抜けることがあってまだまだです」と振り返った。
初回に光泉の上位打線がファウルで粘るシーンもあったが「それでも自分のストレートで押すことができたと思います」と前を向いた。この日はNPBスカウトのスピードガンでは148キロをマーク。「それだけ出ていたんですね」と本人は笑顔をこぼした。
もう少し力を入れて投げればそれ以上の数字を出せたそうだが、今の時期に無理は禁物だ。「球速ではなく球質で勝負したいです。理想は勝てるピッチングをすることです」。
牽制球を何度も入れるシーンも「この冬はかなり練習してきました」
この日は一塁走者を出せば牽制を何度も入れるシーンがあったが、これも勝てるピッチャーになるための“準備”のひとつだ。「自分はもともと牽制が得意ではなくて、この冬はかなり練習してきました」。10年前のセンバツで清峰(長崎)を初優勝に導いた際の部長で、投手育成には定評のある清水央彦氏から教わった牽制のコツを体に染み込ませてきた。
「投げるだけではなく、細かい要素も意識して(練習を)しっかりやってきていると思う」と林和成監督もエースの成長に目を細める。
11日からは先週半ばに始まった定期テストが再開される。この日は1試合目にマウンドに立った後はランニングなどのトレーニングで汗を流し、グラウンド整備をしてから足早に帰宅の準備をしていた。「帰ったら勉強をやります。明後日テストが終わったら、やっと(センバツに向けて)本気モードになれると思います」と笑顔。今週はいよいよセンバツの組み合わせ抽選会が行われ、対戦相手も決まる。奥川の球春もいよいよ本格化してきた。(沢井史 / Fumi Sawai)