WEC:ポルシェ911がセブリングテストで大炎上。本戦には新シャシー投入へ

 3月9~10日にアメリカ・セブリングで行われたWEC世界耐久選手権第6戦セブリング1000マイルに向けた公式テストで、チーム・プロジェクト1が走らせる56号車ポルシェ911 RSRから出火。マシンが炎上するアクシデントが発生した。

 火災に見舞われたチーム・プロジェクト1は、ジェントルマンドライバーとプロドライバーがタッグを組んで戦うLM-GTEアマクラスで、第5戦終了時点でシリーズランキングトップにつけている有力チームだ。

 ブラックとイエローのツートンカラーが施された56号車ポルシェ911 RSRは今回、ヨルグ・ベルグマイスター、パトリック・リンゼイ、エギディオ・ペルフェッティというレギュラー陣で3月14~16日に行われる本戦を直前の公式テストに参加。9日の土曜には3名がライセンス獲得に必要な規定周回数をクリアしている。

 そんなチームに悲劇が訪れたのは10日の午前中だった。この日ペルフェッティからマシンを受け取ったベルグマイスターは計測2周目に2分06秒602を記録すると、3周目には同セッション中のパーソナルベストとなる2分03秒014をマークした。

 そんななか、4周目のターン6近くに達したところでマシン後部から出火。炎はまたたく間に勢いを増し、ミッドシップバージョンのポルシェ911 RSRのリヤの広範囲から炎と黒煙が上がった。

 アクシデントの目撃者によると、ステアリングを握っていたベルグマイスターは出火後まもなく自力でクルマを降りると、すぐさまオフィシャルポストに消火器を取りに走ったという。この間にセッションは赤旗が提示され消火隊が出動したが、現場までの到着には数分を要したためマシンは大きなダメージを負うこととなってしまった。

 チーム・プロジェクト1のチームマネージャーを務めるアレックス・ファンクは「チームはドイツのポルシェファクトリーから新しいシャシーを取り寄せる準備を進めている」とSportscar365に語った。

 また、ファンクは「ベルグマイスターが事故後メディカルセンターで検査を受けたが、煙を吸うなどによってみられる健康被害などはみられなかった」と付け加えている。

 LM-GTEアマクラスのシリーズタイトル獲得に向け、新シャシーでセブリング1000マイルへ出場する意思を示しているチーム・プロジェクト1。ドイツ籍のチームは3月13日(水)16時から行われる第6戦フリーププラクティス1回目までにマシンを組み立て、走行が可能な状態にすることを目指す。

チーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSRとマシンから脱出したヨルグ・ベルグマイスター
ファイヤー・レスキューととも自らも消火器を手に消火作業にあたるヨルグ・ベルグマイスター
激しい炎によりリヤカウルが焼け落ちたポルシェ911 RSR
消火後ピットガレージに戻ってきた56号車ポルシェ911 RSR

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