田平南小6年生へ似顔絵 平戸署馬ノ元駐在所高柳さん 卒業記念、異動前に最後の贈り物

 平戸署馬ノ元駐在所の巡査部長、高柳智和さん(37)は11日、長崎県平戸市立田平南小(森本克彦校長、63人)6年生12人の似顔絵を描いた。4年間続いた卒業プレゼントは、高柳さんが15日付で大村署へ異動するため今回が最後。「皆さんが無事に卒業を迎えることができうれしい。中学でも頑張って」との思いを込めて児童一人一人に手渡した。
 高柳さんは大学で美術を学び、一度は中学校の教師となったが、2010年に警察官に転職。目撃証言を基に似顔絵作製にも当たっている。似顔絵は登下校時やパトロールで見守ってきた子どもたちの卒業を祝おうと、同駐在所に赴任後最初の卒業式となった16年春から贈っている。
 似顔絵は児童の写真を基に色鉛筆を使い色紙に描いた。笑ったときの目元や口元、服装などの特徴を捉え、生き生きと仕上げた。出会いを大事にしてほしい、との願いを込めた「一期一会」の言葉も添えている。
 11日、高柳さんから手渡された児童たちは、互いに見せ合いながら「すごく似ている」などと笑い合った。お礼は、2人組音楽グループ、Kiroro(キロロ)の「未来へ」。森本校長のギターに合わせ合唱した。
 山崎沙羅さん(12)は「いつも交差点などで見守ってくれて感謝でいっぱい。似顔絵も大切に飾りたい」と笑顔を見せた。

高柳さん(後列中央)が描いた似顔絵を手に笑顔を見せる児童=平戸市立田平南小

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