東日本大震災8年 被爆地でも黙とう 忘れてはならない

 東日本大震災から8年を迎えた11日、高校生1万人署名活動実行委などは長崎市松山町の爆心地公園で集会を開き、震災や東京電力福島第1原発事故を風化させず、平和で安心な世界の実現に向けて活動を続ける決意を新たにした。
 震災翌年の2012年から毎年開いている。参加者は献花した後、原爆落下中心地碑を「人間の鎖」で囲んで犠牲者を追悼し、被災地の復興を祈願。震災が発生した午後2時46分に合わせ、黙とうをささげた。
 福島県いわき市出身で、第17代高校生平和大使を務めた本田歩さん(22)=お茶の水女子大3年=は「原発事故により古里を離れざるを得なかった人や、津波で身内を亡くした人にとっては、何年たとうと震災は現在進行形」とし「そのような人がいることを忘れてはならない」と語った。
 長崎市は震災の犠牲者に哀悼の意を表し、市民に自然災害への防災意識を高めてもらおうと、市役所本館や地域センターなど計63カ所で、津波による被災車両などの写真や関連資料計約500点を展示している。

原爆落下中心地碑を囲み、黙とうをささげる参加者=長崎市、爆心地公園

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