有珠で根菜類栽培

アイヌ民族の生活紹介、カムイタプコプ下遺跡の講演会

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遺跡の調査・分析結果からアイヌ民族の生活の様子などが報告された後援会

 伊達市向有珠町の遺跡「カムイタプコプ下遺跡」の調査を進める北海道博物館主催の講演会とパネルディスカッションが10日、だて歴史の杜カルチャーセンターで開かれ、これまでの調査、分析結果から分かったアイヌ民族の生活の様子などが報告された。

 同博物館と伊達市噴火湾文化研究所の調査では、1640年の津波堆積物と、1663年の有珠山噴火による火山灰の堆積層の間に存在した貝塚をはじめ、アイヌ民族のチセ(住居)跡の可能性が高い柱穴などが複数発見されている。

 講演会で檜山管内の厚沢部町教育委員会の富塚龍さんは、火山灰の中から畑の畝(うね)や作物跡が発見され、分析の結果「カブの仲間のような農作物の跡だと確認された」と述べ、17世紀にアイヌ民族が有珠地区の畑で根菜類の栽培をしていたことを報告した。

 洞爺湖町教育委員会の三谷智広さんは「貝塚からみた狩猟・漁労活動」について講演。貝塚から30センチを超える大型のニシンや大量のアサリが見つかったことから、「春に産卵のために岸に寄ってきたニシンを捕獲し、沿岸部でアサリの採集をしていたことが分かる」などと述べ、調査結果から浮かび上がったアイヌ民族の生活の様子を語った。
(高橋紀匠)