アウディ 2018/19フォーミュラE第5戦香港E-Prix レースレポート

フォーミュラE第5戦でルーカス・ディ・グラッシが2位表彰台を獲得

◆フォーミュラE開催50戦目。ディ・グラッシが通算29回目の表彰台を獲得

◆ダニエル・アプトは素晴らしい追い上げを見せて4位フィニッシュ

◆アウディカスタマーチーム、エンビジョン・ヴァージン・レーシングも3位と6位に入る

 2019年3月10日、香港:電気自動車のレースシリーズ、FIAフォーミュラE選手権の第5戦が香港で開催されました。フォーミュラEが初開催されてから50戦目となる節目のレースで、アウディスポーツ・アプト・シェフラーのルーカス・ディ・グラッシは、つねに冷静にレースを展開して2位でチェッカーを受けました。
 
 チームメイトのダニエル・アプトは、予選12番手から見事な巻き返しをみせて4位でフィニッシュしました。参戦している4台すべてのアウディe-tron FE05が、このレースで6位以内に入りました。

 電気自動車のレースシリーズにとって“メモリアルイベント”となる第5戦は、変わりやすい天気のため、極めて困難なコンディションとなりました。スタート時はコースがまだ湿っている状態で、徐々に乾いていくなかでレースが開催されました。セーフティカーは合計3回導入され、レース序盤にはクラッシュによる短時間の赤旗中断も行われました。

 ディ・グラッシは、今回のレースでも状況を非つねに冷静に判断し、予選では力強いパフォーマンスを見せました。予選の第1グループは、数多くのマシンにハイドロプレーニングが発生するという最悪のコンディションのなかで行われましたが、ディ・グラッシは唯一トップ6で争われるスーパーポールに進出しました。
 
 5番グリッドからレースをスタートしたディ・グラッシは、序盤にポジションをふたつ落としてしまいます。しかし、ファイティングスピリット溢れる走りで、2番手まで順位を上げてフィニッシュしました。その結果、ディ・グラッシは、ドライバーズランキングで総合3位に浮上しています。

 ディ・グラッシは、次のようにコメントしています。「今日は頭を使って走る必要がありました。このような状況でオーバーテイクすれば、必ず問題が起こって、リタイアするかペナルティを受けるリスクがあります」
 
「そのため、冷静さを保ったことが良い結果に繋がりました。フォーミュラEで通算29回目の表彰台を獲得することができて誇りに思いますが、それだけではありません。このレースシリーズが開催されたということ自体が素晴らしいことだと思います。私にとって、今日のレースは最高の瞬間となりました」

オートグラフセッションで笑顔を見せるルーカス・ディ・グラッシ(左)とダニエル・アプト(右)
ダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)は予選12番手から決勝は4位まで追い上げた
ファンとハイタッチしながら表彰台へ向かうルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)

 チームメイトのアプトもまた、力強いパフォーマンスを見せました。アプトは、予選第3グループの困難な状況に苦しみました。しかし、12番グリッドからスタートしたアプトは、オープニングラップで2台のマシンをオーバーテイクし、その後ポジションをひとつずつ上げていきました。アプトは、次のようにコメントしています。
 
「レース序盤は完全にクレイジーな状態でした。大混戦になっていましたので、この状況のなかでクリアな状態を保つことが重要でした」

「最終的にはポジションを8つ上げて、4位でフィニッシュすることができました。私たちは、チームとしても力強いパフォーマンスを示し、貴重なポイントを獲得することができたので本当にうれしいです」

 アウディスポーツ・アプト・シェフラーは、全13戦中5戦が終了した時点で、チームランキング2位となっています。チーム代表のアラン・マクニッシュは、次のように述べています。
 
「今日のレースを終えて、私たちはチャンピオンシップで以前よりもはるかに良いポジションにつくことができました。私たちにとってもっとも重要なライバルの何台かは、今日はポイントを獲得することができませんでした」

「香港の市街地コースでは、毎回エキサイティングなドラマが繰り広げられます。今日も完全にクレイジーなレースでしたが、私たちはつねにポジションを上げることに成功しました。ルーカスは予選で卓越したパフォーマンスを示し、ダニエルは目を見張るような反撃を見せてくれました。彼らの素晴らしい走りを祝福したいと思います」

 今回のレースでは、アウディe-tron FE05が3戦連続でトップチェッカーを受けました。アウディカスタマーチーム、エンビジョン・ヴァージン・レーシングのサム・バードは、アンドレ・ロッテラー(DSテチーター)と壮絶な首位争いを展開していました。
 
 しかし、残り2周でロッテラーのマシンに接触し、彼のマシンのリヤタイアがパンクしてリタイアしてしまいます。これが審議の対象となり、タイムペナルティを課せられて、バードは優勝を逃してしまいます。その結果、彼のチームメイトであるロビン・フラインスが3位に繰り上げとなりました。

 アウディ・モータースポーツ代表のディーター・ガスは、次のように語っています。「4台すべてのアウディe-tron FE05がトップ5でフィニッシュラインを越えました。これは、アウディにとって、素晴らしい結果としか言いようがありません」
 
「今日のレースは、コースが湿っている状態でスタートして、徐々に乾いていくとう難しいコンディションのなか、アクシデントが多発しました。私たちのドライバーは、レース全体を通して力強いパフォーマンスを示し、ミスを犯しませんでした。そして、特に決勝レースでは、マシンを戦闘力の高さを再び示すことができました」

 ABBフォーミュラE選手権の第6戦は、2週間後の3月23日に、中国の海南島にある三亜で初開催されます。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

2018/2019フォーミュラE第5戦香港は前日のシェイクダウンから決勝日の予選まで雨が降り続いた
表彰台まであと一歩の4位でフィニッシュしたダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)
第5戦香港ではフォーミュラEシリーズ50戦目を記念したステッカーが各車に貼られた
トップチェッカーを受けたサム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)はトップを争ったアンドレ・ロッテラー(DSテチーター)との接触でペナルティを受け6位降格となった

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