宇都宮でレモン産地目指し研究会

「宮レモン」商標登録へ手続き

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昨年3月にレモンの苗を植えた久保井さん。冬場は温度管理だけでイチゴ栽培との両立が可能という=19日、宇都宮市

 宇都宮市でレモンを生産する農家が出始めている。近年国産レモンの需要が高まっている中、国産レモンの産地化を進めようと、宇都宮市は昨年10月に栽培技術の向上や生産者の連携強化を目的とした「レモン研究会」(事務局・宇都宮市農林生産流通課)を立ち上げた。メンバーの農家が同市産レモンを「宮レモン」として商標登録し、売り出していく計画だ。早ければ2年後に収穫し、まずは県内の飲食店を中心に消費拡大を図っていく。

 2015年の財務省の貿易統計によると、国内に流通する輸入レモンは約4万8千トンで、そのうち愛媛県や広島県を主要産地とする国産レモンの出荷量は約7千トン。国内に流通するレモンのほとんどは輸入品だ。

 防カビ剤を使ってない国産レモンは、皮まで使えることなどから需要が高まっているが、供給が追い付いていない。

 宇都宮市で産地化すれば農家の空きハウスの利活用にもなる。同市は17年から1本当たり1500円を上限に、苗の購入費用の2分の1を助成し、新規参入農家の募集を始めた。同市農林生産流通課の担当者は「レモンは比較的栽培しやすい果樹。空いたビニールハウスがある農家なら設備投資をしなくても新規参入ができる」と説明する。

 果樹としては同市内での生産者が少ないため、生産者を支援する目的で、同市と県河内農業振興事務所がレモン研究会を立ち上げた。メンバーはイチゴや花きなどを生産する50~60代を中心とした農家8人。これまでに242本の苗が導入された。

 苗は植えてから3年目で実を付けるため、現在、研究会のほとんどの農家はまだ苗を育てている状況だ。

 宇都宮市上小倉町、イチゴ農家久保井弘道(くぼいひろみち)さん(67)は、約4アールの空きハウス1棟を活用しようと昨年3月にレモンの苗28本を植えた。「冬は温度管理だけなので、主力のイチゴとの両立ができる」と期待を寄せている。

 研究会の農家らは既に市産レモンを「宮レモン」として商標登録しようと手続きを進めている。市内の飲食点やバーへの直売だけでなく、ジャムなどの加工品の製造も視野に入れる。