迫る開幕 キンブレルはドラフト後まで契約を待つ可能性も

メジャー9シーズンで通算333セーブ、防御率1.91、WHIP0.92、奪三振率14.67という素晴らしい成績を残しているクレイグ・キンブレルは、フリーエージェント市場に残るビッグネームの1人である。レギュラーシーズン開幕が17日後に迫るなか、キンブレルの契約交渉に関する具体的な話は聞こえてこない。クオリファイング・オファーに関連する補償が発生しなくなる6月のドラフト後まで契約を待つ可能性があると指摘する声すら上がる状況となっている。

MLBネットワークのケン・ローゼンタールは、ジ・アスレチックで自身が公開したコラムのなかで、キンブレルと代理人のデービッド・ミーターが6月上旬のドラフトまでメジャー球団と契約しない可能性があると指摘した。キンブレルは昨年11月にレッドソックスからのクオリファイング・オファーを拒否しており、他球団がキンブレルを獲得した場合、ドラフト指名権に関連する補償が発生する。しかし、ドラフトが終わってしまえば補償は発生せず、キンブレルを獲得する球団は年俸を負担するだけで済むのだ(2000万ドル前後と予想されている)。7月のノン・ウエーバー・トレード・デッドラインで有望株を犠牲にしてトレードで有力リリーバーを獲得するより、有望株を犠牲にする必要のないキンブレル獲得を好む球団が現れても決して不思議ではない。

もちろん、現在もキンブレルは開幕までに契約を決めることを望んでいるが、キンブレル獲得に積極的な球団が見当たらないのが実情だ。ナショナルズはぜいたく税の対象となる年俸総額の上限を超えることを嫌っており、ブライス・ハーパーを獲得したフィリーズもこれ以上の大型補強には消極的。ブレーブスは短期契約のみに興味を示しており、レッドソックスもリリーバーに大金を投じる意思がないことを明確にしている。一方、キンブレルは少なくともクオリファイング・オファーの金額(年俸1790万ドルの1年契約)を上回る契約を欲していると見られており、キンブレルと各球団の間には明確な「ミスマッチ」が存在する。この「ミスマッチ」が解消されない限り、キンブレルが契約を決めるのは難しいのではないだろうか。

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