VARルームに誰もいない? 試合中の映像が論争を巻き起こす

VARによって2度ゴールを取り消されたバジャドリード photo/Getty Images

現地時間10日に行われたリーガ・エスパニョーラ第27節、バジャドリード対レアル・マドリードの試合は1-4でアウェイのレアル・マドリードが勝利した。この試合はバジャドリードのゴールがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入により、2度取り消されるなど波乱の展開となった。だが、今回話題となっているのは判定そのものではなく試合中に映し出された映像だ。

事件が起きたのは前半13分。FWグアルディオラが右サイドからのクロスを合わせ、バジャドリードの先制かと思われたシーンだ。主審がVARの確認を行っている際、現地のテレビ放送に映し出されたVARルームは無人。最終的にオフサイドでノーゴールの判定となったが、リプレイの確認などしていないのではないかと騒動に発展した。しかし試合後、これは複数あったVARルームのうち、使用していない部屋を映してしまったとテレビ局からの発表があった。

この珍事に対し、英『GiveMeSport』は「VARは物議を醸さないために導入されたはずだが、全く逆の結果となった。VARが完璧になることは決してない。結局は、リプレイを見た審判が自分の判断で判定を決めるからだ。このグレーゾーンが存在する限り、論争がなくなることはない。テレビ局のミスにしても、このシステムが完璧ではないことの証拠だ」とVARの是非についてまで言及。ほかにも、各欧州メディアが「アンチレアルの人々は陰謀論を唱えている」とレアル有利の判定となったことから、テレビ局の発表を信じていない人がいることを報じている。

VARの導入によって、今までと違いひとつひとつのプレイに対する検証制度は高まったが、それはあくまで検証がなされていればの話だ。試合に直接関わらずとも、テレビ局のミスというほんの些細なことで、世界中を巻き込んだ騒動に発展した今回の事件。自身のせいではないミスによって、疑いの目を向けられる審判はこれから苦労することになるかもしれない。

© 株式会社FACTORIES