憧れの海外トレッキングへ!…登山道具って飛行機でどう運ぶの?何を準備すればいいの? 氷河や日本にはない高さの山々。一度は見たいという景色は誰しもあるのではないでしょうか。世界の絶景を見に行きませんか?日本とは環境が異なるため、下調べや準備はとても大切ですが、そこで得られる経験は言葉に出来ないものばかり。海外トレッキングを楽しむための注意点や調べ方などをお伝えしていきます。

いつか行きたい、海外トレッキング

(スイス)

海外トレッキングと聞くと、どんなイメージが思い浮かびますか?
本にはない氷河や巨大な滝、4,000mを超える山々。ふと目にした映像や本に広がる見たこともない景色。「いつかこの景色を見てみたい!」そんな景色を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

なんといってもスケールが大きい

(ニュージーランド・ミュラーヒュッテルート)

ヨーロッパアルプス、ロッキー、アンデス、そしてヒマラヤなど…、世界には挙げればきりがないほどたくさんの絶景が広がっています。言葉を失う圧倒的な大自然に、人の小ささを体感する場所も。

山以外の観光や食事も楽しみの一つ

(ニュージーランド・ギブストンバレー)

また、海外トレッキングの魅力は「歩く事」だけではありません。山以外にも観光や食事を楽しみながらその土地の文化にも触れることで、より理解が深まり、海外トレッキングの魅力にどんどんハマってしまう人も多くいるんです。

でも言葉や環境の違い、移動に時間がかかる、準備が大変…そんな事などから、ハードルが高いと思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、海外トレッキング初心者が事前にチェックしておきたい、様々な「準備」について紹介します。

準備①:入山に予約が必要?制限やルールを事前にチェック

実は、「よし!登ろう!」と決めてすぐ登れる山ばかりじゃないのが、海外の山。事前に申請が必要な山や、人数制限がある山、さらに許可書が必要な山など、場所によってさまざま。実際に行ってから登れなかった…という事を防ぐためにも、必ず事前に確認しておきましょう!
今回は、事前に申請等が必要な場所を3つ、例として紹介します。

【カナダ】カナディアンロッキー バンフ国立公園

トレッカー憧れの地、カナディアンロッキー。中でもカナダで最初に制定された国立公園が、ここバンフです。荒々しい山だけでなく美しい高山植物や紅葉など、豊かな自然の中を歩くコースが豊富。人数制限はありませんが、パークパス(入園許可証)の購入が必要。オンラインもしくは観光案内所で購入可能です。

【ニュージーランド】ミルフォード・トラック

こちらも大人気!その美しさは世界一と言われるほど。氷河に削られた渓谷や原始の森、守られた貴重な環境を3泊4日かけて踏破します。ハイシーズン・個人ウォークの場合、1日の入山が40人までと決められているため、予約は必須。レベルは初級~中級で危険な場所はほとんどないのも人気の一つです。

まるで映画の世界!”世界一美しい散歩道”ミルフォードトラックの全貌とは
世界一美しい散歩道と称されるミルフォードトラック。山好きな方なら、一度は耳にした事があるのではないでしょうか?世界中のトレッカーを引き...

【ペルー】マチュピチュ遺跡 ワイナピチュ山

お馴染みのこの景色…「一度は見たい!」という方も多いのでは?天空の大都市として有名な世界遺産を歩くトレッキングコースは、1日の入山は2部制で計400人まで。直前だと予約がいっぱいで入れないことも。絶景が見たい方は1~2ヵ月前からの予約がおすすめです。

準備②:登山用品、どうやって海外に持っていく?

観光とは異なる荷物が必要となるトレッキングや登山。日本で登山をする時と基本的な持ち物は変わりませんが、行くのは海外。そう、飛行機に乗りますよね。

例えばトレッキングポール。実は手荷物では持ち込むことができません。手荷物検査場に着いてから慌てないよう、航空会社の案内を事前に確認し、持っていく荷物をわけて荷造りすることが必要です。
また、食材に対して厳しい持込制限を設けている国もあるため、行き先の情報収集も必要です。
国際線 制限のある手荷物
登山用品を飛行機で持っていく際の注意点について、実際に私が海外トレッキングをした時を例に、ご紹介します。

3泊4日の海外トレッキング《ミルフォードトラック編》

こちらは実際に3泊4日でニュージーランド・ミルフォードトラックに行った際の荷物です。この写真に映っている着替え・食事は一日分のため、実際にはプラス2泊分持ち込みます。フリーズドライ食品は、現地でも追加で調達しました。
この道具を例に、飛行機での持ち運び方を紹介します。

▼飛行機で運べない・持っていけないもの

調理用ガスカートリッジ、スポーツ用酸素などのスプレー缶、水銀(※特に温度計は要注意)は持込が禁止されています。必要であれば現地で調達しましょう。

▼機内に持ち込めないもの(預ければOK)

カッター・ナイフ類、トレッキングポール。こちらはキャリーケースに入れましょう。

▼手荷物として持ち込むもの(申し出ればOK)

ライター・マッチ(※喫煙用として一人一個まで)、モバイルバッテリー、カメラ。こちらは申し出が必要です。手荷物検査場でX線を通し、手荷物として機内に持ち込みましょう。

▼実際に機内に持ち込んだもの

実際に今回私が機内に持ち込んだ荷物(オレンジの袋の中にはカメラ・バッテリーが入っています)。機内や現地は寒いこともあるため、登山用のフリースやダウンは入れておくと安心です。意外と便利なのがサンダル。現地だけでなく、機内で靴を脱いで過ごす用にも使えます。
また、最後に注意点が一つ。ザックのサイズが機内持ち込みサイズ内かどうかは、必ずチェックしておきましょう!
JAL JAPAN 機内持ち込みお手荷物

あると役に立つかも?!持っていくと便利なグッズを紹介

現地では日本と違って欲しいものが手に入らないことも。中には必須じゃないアイテムもありますが、私が実際に持っていって活躍したグッズをご紹介します!
①薬類
高山病やトレッキング中の虫刺されはもちろん、慣れない環境による体調不良に備え薬を持参しましょう。言葉の違いは成分や症状をうまく伝えられないことも。

②インナーシーツ
温度調節がしやすいため、より快適な睡眠が得られます!沢山汗をかいた日など、直接シュラフに包まるのに抵抗がある時にも役立ちます。

③モバイルバッテリー
日本でも持って行く人が多いモバイルバッテリー。海外の山小屋では充電ができないこともあるため、いつもより多めに持っていると安心です。

④フリーズドライ食品
海外の山小屋には食事がないことも。手軽でかさばらず、お湯があれば簡単に食事ができるフリーズドライはとにかく便利!

⑤洗濯用品(洗剤、洗濯を干すケーブル等)
数種類のウェアが必要な登山やトレッキング。長期間滞在する場合は、現地で洗濯をする事も度々あります。ケーブルとカラビナがあれば干す場所を確保できるため、とっても便利!なければスリングを使うのも◎

⑥折り畳みカトラリーや食器
山でももちろん役立ちますが、海外のスーパーではスプーンやフォークがついていないことも。ホテルで食べるときにもあると便利!

海外トレッキングならではの注意点とは?

準備はOK!では実際の計画から現地での行動はどのようなことに注意が必要でしょうか?海外という慣れない場所では、日本のトレッキング以上に気を使いたいもの。計画のポイントとともに注意点をお伝えしていきます。

意外と大事な拠点選び

トレッキングで使わない荷物は滞在地のホテルなどに預けます。そのため、拠点選びも大切!何ヵ所か巡る場合や山の中で宿泊する場合、前後に同じ場所に宿を取ると後々の行動が楽になります。

計画は余裕を持って!周囲の人への連絡も必ず行いましょう

コースのレベルはもちろんですが、現地のシーズン(気象状況)、治安には特に気にかけたいもの。危険な場所や禁止されているエリアには、絶対に立ち入らないようにしましょう。万が一の場合に備え、工程が決まったら家族や親しい知人に計画を伝えておくことも大切。海外安全情報また、せっかくの海外。予定を詰め込みたくなる気持ちもわかりますが、飛行機の遅延で乗り継ぎができない、荷物が届かない、なんてこともしばしば。日程には余裕をもち、行きたい場所に優先順位をつけておくこともポイントの一つ。

不安があればガイドさんと歩こう

たとえ人気のあるコースでも、遭難する可能性は十分あります。特に言葉のわからない場所では、いつも以上に注意が必要!登山道の状況や天気予報を確認するのは当然ですが、不安な場合はガイド付で楽しむのも一つの手。決して無理はしないよう、しっかり計画を立てましょう。

アクセスが簡単な時ほど、高山には要注意!

日本にはない高さの山が存在する場所では、高山病には十分注意しましょう。特にロープウェイやケーブルカーで3,000m以上の高所までアクセスする場合、気づかないうちに低酸素状態に陥っていることも。出発地点に着いたら、日本の山以上にゆっくり体を慣らしてから歩きましょう。

準備は万端!海外の絶景登山&トレッキングを楽しもう!

しっかり準備したら、あとは思いっきり楽しむだけ!日本では見られない景色を満喫しましょう!絶景を自分の足で歩けば、一生の思い出になる事間違いなし!世界の山も是非今後の候補にいれてみてはいかがでしょうか。

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