ガンバ大阪に電撃加入、ダビド・コンチャとは何者か?2度の手術から復帰へ

9日に行われたJ1リーグ第3節の名古屋グランパス戦、ハーフタイムで電撃的にガンバ大阪への加入が発表されたダビド・コンチャ。

スペインU-19代表経験を持っている22歳のアタッカーは、あのマルコ・アセンシオやダニ・セバージョスらとともに2015年のUEFA U-19選手権を制覇したチームの一員だった。

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生い立ち

ダビド・コンチャ・サラスは1996年の11月20日、カンタブリア州都のサンタンデールで生まれている。

9歳で地元の名門クラブであるラシン・サンタンデールに加入し、17歳でトップチームの練習に参加。12月にはコパ・デル・レイで途中出場からデビューも飾った(写真はイボーラと競り合うコンチャ)。期待できる左利きのウイングとして注目された。

『Marca』は2014年、「今季のラシン・サンタンデールにおけるセンセーション」としてダビド・コンチャを特集していた。パコ・フェルナンデスがやっていた右サイドに彼を起用して欲しい…というサポーターの要求もあったそうで、彼はその質問に以下のように答えている。

ダビド・コンチャ 「僕はこれまで長い間右ウイングでプレーしてきた。よく知っているポジションだし、うまく適応している。ただ、ストライカーやミッドフィルダーも経験したので、監督が求めるところでプレーできるよ」

その際にはフィジカルの点でかなり向上したと伝えられており、本人も「僕はより強いフィジカルを手に入れた。このカテゴリーに適応するための助けになる」と話していた。

『NEXTアジョセ・ペレス』

2015年1月、ダビド・コンチャにはイングランド・プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッド移籍という噂が流れた。

ニューカッスルは前年度にテネリフェから獲得したアジョセ・ペレスが大当たり。わずか200万ユーロで買った選手が主力に成長したため、次なる宝石を探していた。そこで目をつけたのがダビド・コンチャだった。

  • 「彼は多用途だ。ストライカーとして機能するが、攻撃的なウイングとしてもプレーする。身長は高くはないが、優れたスピードとドリブルを持っている」
  • 「彼は11月にU-19代表に選ばれた。スペインで最も期待される選手の一人である」
  • 「フランシスコ・ヘント、サンティジャナ、イバン・エルゲラらカンタブリア出身のスターの足跡を辿ることができる」

と伝えられていた。また、

「彼のボールを持った時のテクニック、相手を抜き去る能力、そしてスピードがありダイレクトなスタイルは、まるでハテム・ベナルファのようだ」

とも評されている。ただ、結局ニューカッスル・ユナイテッドへの移籍話は現実にならなかった。

スペインU-19代表、そして欧州王者に

2014-15シーズンに2部で35試合に出場、ダビド・コンチャは5ゴール4アシストを決めた。特にベティス戦の左足シュートは高く評価されている。

期待の若手として注目を集めたダビド・コンチャは、6月末にスペインU-19の代表チームに選出された。

UEFA U-19選手権でスペインは優勝を果たし、ダビド・コンチャはサブの立場であったが4試合に途中出場。タイトル獲得に貢献している。

そして2015年の7月、レアル・ソシエダが契約解除条項に定められた額を支払ったことで移籍が決定。5年間の契約を結んでいた。

ところが、その年にソシエダの監督に就任したデイヴィッド・モイーズ氏が彼を戦力として全く計算していないという不運に見舞われる。そして2部のヌマンシアへとローン移籍することに。

ダビド・コンチャ 「ソシエダに残りたかったことは否定できない。サッカー選手は誰もが高いレベルでのプレーを望んでいる。

しかし他の選手のクオリティを見たとき、難しいことになるだろうと気づいた。昨季やってきたことを考えれば、ここでやれるとも思ったが、最善の手はローンで移籍して足を止めないことだ」

ヌマンシアでは26試合に出場して5ゴールを奪い、翌年にソシエダへと復帰。また出場機会には恵まれなかったが、2017-18シーズンにはバルセロナのBチームにローン移籍することになった。

怪我に苦しむ…そして復活を期す

しかしバルセロナではシーズン中盤から股関節の怪我に悩まされるようになり、2月に手術を受けたもののなかなか回復できず。

結局2018年に入ってからは一度もプレーできないままレアル・ソシエダに復帰。だが彼の症状は右腰の大腿骨寛骨臼挟み込み症という形態異常であり、慢性的な陣痛を伴う病気だったという。

8月の検査で恥骨部分に再び病変が確認され、それに対処するために9月末にフランスのボルドーで再手術を受けている。

ピッチに戻れない日々が続く中、冬にはレアル・サラゴサやスポルティング・ヒホンへのローン移籍が噂されたが、最終的には1月の間に取引は行われず。そして今月ガンバ大阪への加入が決定した。

かつては素晴らしいスピードとドリブルを持っていたというダビド・コンチャ。1年以上プロのピッチからは離れており、2度の手術を経験し、さらに慢性的な怪我も抱えている。

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だからこそ彼は日本のピッチで復活したいというモチベーションを高く持っているはず。

そして、おそらくガンバサポーターとして有名な芸人たむらけんじ氏も「だびどこんちゃ~」というギャグを準備しているだろう。

どちらもこれ以上怪我をしないように気をつけて頑張って欲しい。

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