今、日本代表に呼ぶ価値がある6名のストライカー

14日に招集メンバーの発表を控える日本代表。

今回は激闘だったアジアカップ直後ということもあり、新たなメンバー編成になる可能性も。特にチームに復帰後まだ一度もプレーしていない大迫勇也(ブレーメン)の招集外は濃厚で、その代替となるFWに注目が集まる。

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そこで、先月末に開幕したJリーグで出色の働きを見せ、代表に呼ばれるかもしれない日本人ストライカーたちを特集しよう。

鈴木 武蔵(北海道コンサドーレ札幌)

今季の成績:3試合3ゴール

昨シーズンJ1で4位に入った札幌。今季も開幕の湘南戦こそ敗れたものの、浦和とのアウェイ戦を制し、清水相手にはホームで大量5ゴールを奪い大勝した。

ジェイ、アンデルソン、チャナティップ、鈴木武蔵、岩崎、新人の檀崎と、攻撃陣の破壊力と層の厚さはJトップクラスと言っていいだろう。その中で長崎から新加入の鈴木は浦和戦で2ゴール、清水戦で1ゴールを記録している。

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南野拓実と同じ“94世代”で、U-17時代には欧州のクラブから注目されたほど。プロ入り後はなかなか殻を破れなかったが、昨年、長崎で11ゴールを記録し、今季はそれを上回りそうな予感だ。

古橋 亨梧(ヴィッセル神戸)

今季の成績:3試合1ゴール

開幕戦を落としたものの、その後は連勝を飾った神戸。主役となったのは新加入ビジャだが、第2戦目から先発起用された古橋の働きも見逃せない。

昨夏、J2・FC岐阜から加入し13試合5得点を記録した24歳は、50m5秒台とも言われる圧倒的なスピードと運動量を武器に、VIP(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキ)ら高齢のスターが並び、運動量の面で不安のあるチームに活力を注入している。

体型やプレーの特徴は若い頃のビジャを彷彿とさせるものがあり、今なお衰えを感じさせない彼の隣でプレーすることによって学ぶものも盗むものも多いはずだ。

ウィング、ストライカー問わずに起用できる点も長所で、日本代表では南野拓実の好敵手になりそうな予感だ。

藤本 憲明(大分トリニータ)

今季の成績:3試合3ゴール

昇格組の大分、松本の奮闘が光り、残留争いが熾烈を極めそうな今季のJ1。

特に広島でのコーチ時代にペトロヴィッチ(現札幌)の薫陶を受けた片野坂氏が指揮する大分は、開幕戦で鹿島アントラーズを撃破し大きな話題に。その試合で2ゴールを決めたのが藤本だった。

高校や大学ではDF・MFでプレーしたものの、アマチュア時代に点取り屋の才能が開花。2016年にJ3・鹿児島ユナイテッドへ加入し26歳にしてプロ契約を結ぶと、そこから2年連続でJ3得点王となり、昨年はJ2で12ゴールを記録した。

日本人は総合能力に優れた選手が多いが、彼は“エリート”ではないぶん珍しく得点に特化したタイプだ。もし代表に選ばれれば新しい風を吹き込むかもしれない。

赤﨑 秀平(名古屋グランパス)

今季の成績:4試合3ゴール(J1は3試合3ゴール)

「ポスト大迫」という意味では、首位・名古屋で結果を残すこの男も外せないだろう。

筑波大時代に「大学ナンバーワンFW」と評価された彼は、2014年、海外へ移籍した大迫と入れ替わるように鹿島へ加入し、プロキャリアのスタートを切った。

プロでは苦戦することになったが、今季、筑波大時代の恩師である風間監督の下で開花の兆しを見せている。開幕当初こそ控えが定位置に思われたが、途中出場からのゴールで立場が一気に変わり、ここまで3ゴールを記録している。

元々シュート技術の高さには定評があった。セレッソ戦で決めた左足でのループシュートはまさに彼の能力を示すものだ。

伊藤 翔(鹿島アントラーズ)

今季の成績:5試合5ゴール(J1は3試合2ゴール)

ポステコグルー体制となり斬新な攻撃サッカーを展開する横浜F・マリノスは、選手の潜在能力を引き出す場としても有効に機能している。

三好康児や久保建英(FC東京)がその好例であるが、「和製アンリ」こと伊藤翔もまた、マリノスでの戦いを経て大きく羽ばたこうとしている。

今年1月、アジア王者である鹿島へ電撃移籍した30歳は、開幕から公式戦5試合5ゴールと大爆発。負傷で戦線を離脱した鈴木優磨の穴を埋めているのだ。

先日はACLで2ゴールを記録したが、その落ち着いたフィニッシュはまさにアンリの現役時代を思わせる決定力だった。

長身でポストプレーや守備もいとわない。もしかすると“ポスト大迫”は、大迫より2歳年上のこの男になるのかもしれない。

知念 慶(川崎フロンターレ)

今季の成績:4試合0ゴール(J1は3試合0ゴール)

「ポスト大迫」が話題となった今年のアジアカップ。国内から彼の代役を見出すとすれば、知念慶は有力候補の一人である。

所属の川崎フロンターレでは控えに回ることが多いが、ボールを収める能力に関しては時に大迫を彷彿とさせる。

元々身体能力に優れることに加え、量より質を重んじるチームの中でオフザボールの立ち居振る舞いも日々洗練されている。

今シーズンはまだ無得点だが、大物レアンドロ・ダミアンが加入したチームで存在感を示すことができれば必然的にサムライブルーのユニフォームは近づいてくるはずだ。

3月17日に24歳の誕生日を迎える知念。日本代表に招集されれば、沖縄出身者では我那覇和樹(讃岐)、田口泰士(磐田)に続く3人目となる。

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