vol.24「少しハミ出た感覚を大切に思う」

こんにちは、今野亜美です。

自分らしさを貫くってなんて難しい。中二病じみた話ではありますが…“普通”を教えられるほど、ハミ出た部分を隠すようになったりして。容赦ない「そろそろ結婚は?」の話題にも密かにモヤっと。「いやぁ、まだ…」。何となく気まずい。ていうか、純粋に相手がいないんだけど。ま、日々の鬱憤、水に流すべし!

先日は日本橋へ。向かったのは噂で気になっていた居酒屋「小野屋酒店 飲食部」さん。「ONOYA」の文字はあるものの、外から見えるのは自動販売機と降りたシャッターのみ。では、どこに酒場が? と、よく見渡すと奥の壁にひっそりと掲げられたのれん。そこを潜って階段を降りた所にあるんです。知らないと絶対にたどり着けない“秘境感”がたまらない。

コの字型カウンターとテーブル席が2つほど。「初めましてよね」。笑顔で迎えてくれるママさんにホッとする。カウンターに座り、「樽ハイレモン」と人気メニューという「ネギ玉子やき」を注文。優しい味わいが嬉しい。隣の席には同じく初来店、という女性が一人。おつまみをシェアしていただきつつ、「最近の酒事情」について語り合う。

どれくらい経っただろうか。「どうぞ」。器片手にその中身を常連さんに配るママさんの姿。対して、受け取った方はキョトンとした顔で「何で?」。見ると、器の中に入っているのはチョコレート。「あ…」。すっかり忘れていた。2月14日、今日がバレンタインだということ。完全同意の店内、みんなで笑う。ちゃっかり私もチョコをいただき、おかわりでハイボールをゴクゴク。

常連さん方の会話に耳を澄ますと、話題は「青春時代のエンタメ」。“加東大介さん”や“梶芽衣子さん”といった飛び交うワードに興奮しつつ、飲むお酒が美味しい。自分を作るのはどんな環境に身を置くか、だと思う。酒場へ向かえば、肩書きも世代も異なる誰かに出会う。普通では得られない出会いの中で、少しハミ出るかもしれない。でも、その感覚を大切に思う。

今野亜美 Imano Ami

2014年、アイドルグループ『清 竜人25』のメンバー「清 亜美」として活動開始。

2017年6月、幕張メッセイベントホールで行なわれた『ラスト♡コンサート』をもってグループは解散。

同年6月19日、「今野亜美(いまのあみ)」としてソロ活動を開始。

大のお酒好きで、アイドル時代から発信している1,000円で居酒屋を旅するブログが話題になっている。

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