中学卒業「特攻服」10人補導 岡山駅周辺はトラブルなし

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 卒業式直後の中学3年生らが例年、派手な柄や刺しゅうを施した「特攻服」や学生服でJR岡山駅前に集まる騒ぎで、こうした服装の生徒を新たに補導対象に加えた岡山県警は、岡山、倉敷市で卒業式が行われた13日、両市内の主要駅などで警戒に当たった。県警によると午後5時現在、大きなトラブルはなかったが、岡山市内で男女10人を補導した。

 県警などによると、岡山駅周辺では、警察官ら約140人のほか、教育委員会職員も駆け付けた。東口広場の桃太郎像に登らないよう、ロープを張って警察官が取り囲むなどした。特攻服姿の生徒が多数集まる姿は見られなかった。

 一方、岡山ドーム(同市北区北長瀬表町)には、同駅周辺の厳戒態勢を避けるように特攻服を着た中学生が集まり、一時騒然となった。生徒は竜や桜吹雪の絵柄や学校名、「中学最後の晴れ舞台」といった文言の刺しゅうを施した上着とズボンを着用。警察官らが「解散しなさい」「帰らないと補導する」と警告後、居残った生徒から事情を聴いた。生徒らは「僕らの自由じゃ」「何が目的の補導か」などと反発していた。

 県警によると、補導した場所は、岡山駅周辺3人▽岡山ドーム周辺5人▽大型商業施設2人。いずれも保護者に引き渡した。

 県警は、特攻服を着て集まることが「非行を助長する」として、今年から補導対象に決定。県教委などは特攻服の問題点を記したちらしを各校に配り、個人懇談で生徒や保護者に参加しないよう指導を行っていた。

 岡山市内の中学3年の女子(15)は「刺しゅうを施した学生服を着ようと思っていたけど、補導が怖くてやめた。迷惑を掛けるつもりはなかったのに問答無用で補導するのはどうかと思う。最後の思い出が微妙になって残念」と話した。

 岡山駅東口に知人を迎えに来ていた同市の男性(65)は「警察官が桃太郎像を囲む様子は異様で近寄り難い雰囲気。迷惑行為は許すべきではないが、ここまではやり過ぎではないだろうか」と困惑。駅で警察官らの警戒を見ていた同市の男性(60)は「市民に迷惑を掛けないことが一番なので、警察の取り組みは当然。今後も継続していくべきだ」と述べた。

 補導 道路や公共の場で飲酒や喫煙、深夜徘徊(はいかい)といった不良行為をする少年少女を見つけ、必要に応じてその場で、注意や助言などを行った上で保護者に連絡するといった措置を取る活動。保護者を呼んで引き渡す場合もある。

特攻服の中学生を警戒する警察官ら=JR岡山駅東口広場
特攻服を着た中学生らが集まり一時騒然とした岡山ドーム(画像の一部を加工しています)